新規取引はWebマーケティングが必須

1. 新規で目指す企業間取引

ここでは企業間取引の新規取引、つまりBtoB取引で新規顧客の開拓を目指すWebマーケティングを中心に解説していきたいと思います。
その前提としてはオウンドメディアをいかに戦力としてWebマーケティング戦略で活かすか、ということと言えますが、この戦略の目的は新規顧客の獲得です。
従ってWeb周り、マーケティング周りだけを解決しても、必ずしも新規取引の成就とはなりえず、その先にある「重要度の高い周辺要因」も含め取組む必要があります。
これはBtoB取引が企業の論理・ルール、それに基づく意思決定プロセス、それらのユーザー特性を踏まえた取組みが求められるからです。

2. BtoBのルールや意思決定プロセスとは?

ではその企業の論理や社内規定、意思決定プロセス、ユーザー特性とは何でしょうか?
おおよそ以下の要素が挙げられます。

●企業の看板を背負っており個人判断は厳禁
●担当は複数の選任者のプロジェクトチームとなることが多い
●取引額が比較的高額
●検討対象となる業者選定は、既存業者・紹介業者に合わせWeb検索を使う
●交渉は必ず複数社と並行して行う
●検討期間が中長期になることは珍しくない
●担当者は専門職・技術者等が多い
●新規取引口座を開設する場合、業者の資格・与信も審査の対象となる
●最終決定には必ず社内稟申を経る
●稟申では投資対効果・業務改善効果が問われる

これらの要件を抜きに企業間取引を計画するのは、もはや荒唐無稽なことです。
逆に自社で何らかの製品やサービスを導入する担当になった場合、ほぼ同じようなことに直面するはずです。
つまり自社で企業間取引を計画する場合、それらの要素を念頭に置いた取組みがなされるべき、ということは、にわかにおわかりいただけると思います。
では次にそのBtoBの要件をインクルードした、新規顧客獲得のWebマーケティングの計画全体像をプロセスでご説明します。

3. Webで仕込んで〜商談クロージングまで

ではWebマーケティングを中心に新規顧客を獲得するために、前出の「周辺の重要度の高い要因」も含め、新規のBtoB取引をクロージングまで視野に入れた標準的なプロセスをフローチャートでまとめてみました。

1

目指す新規取引BtoB戦略の立案

・オウンドメディア活用で新規顧客獲得のシナリオを策定
・SEO対策実行前のマスタープラン策定
・コンテンツマーケティング実践構想
・広告投入計画
・MA管理
・商談・各種ツールの計画
・リードナーチャリング等

2

オウンドメディア
【リニューアル・新規制作】

策定した戦略に基づき、ユーザーとのコミュニケーションに繋がるコンテンツ設計、サイト構造設計

3

SEO対策を基盤施策として継続実施

マスタープランに基づきサイトのチューニングを実施
【関連施策】戦略に基づき、必要に応じてWeb広告(リスティング広告等)、純広告・雑誌広告出稿着手

4

コンテンツマーケティング

SNS、BLOGによるリードの発掘

5

効果検証・PDCA実行

継続的な定点観測の実施
PDCA効果検証と改善施策

6
反響受付・MA
7

営業パーソンの活動開始

『ARSICA』に準拠した意思決定プロセスを踏まえた活動

8

リードナーチャリング

中長期ユーザーの『リードナーチャリング』
・メルマガ登録により情報発信
・展示会招待
・セミナー招待
・新製品・使用変更情報発信
・資料提供

活動クロージング

このように、新規取引という成果物を獲得するためのプロセスはざっとこんな流れになります。
チャートの7番以降は一見Webマーケティングとは関係なさそうですが、前述した企業間取引における「周辺の重要度の高い要因」の一つと言えるので、当サイトでは積極的に関与していきたいと思います。
ではこのチャート順に、次項から説明を加えていきます。

WebマーケティングとBtoBのプロセス管理

1. 目指す新規BtoB取引の戦略を立てる

この新規取引を目指す企業間取引にあたって、まずは継続的なプロジェクトとして、戦略立案をすることから始めます。
ここではクロージングまでの想定される各重要フェーズについて、この時点で可能な限りの綿密な計画を練り、俯瞰的にプロジェクトの全体像をつかむ、戦略のマスタープランを策定します。

オウンドメディア活用で新規顧客獲得のシナリオをつくる

前項の「3. Webで仕込んで〜商談クロージングまで」のフローチャートに沿っていいと思いますが、冒頭にこの戦略で何を実現するのか、数値目標をいくらにするのか、定量・定性で設定します。
さらにその中で具体的に実践する戦術として、オウンドメディアの新規制作・リニューアル、それを受けてSEO対策の実施、SNS・BLOG活用のコンテンツマーケティング施策、さらに広告や広報・営業活動に使う各種ツール制作等。
その上で戦略のコンセプトを立て、プロジェクト全体の各フェーズを理論的に定義し、それをフローやロードマップで視覚化します。
これらをプロジェクトの各メンバーのミッションに振り分け、それをプロジェクトメンバー全員の中で共有し、意思の統一を図ることで求心力を得、これらが相乗的に目標に向かって進むエネルギーになります。

SEO対策実行前のマスタープラン策定

実行する前の実行計画をまず仮説レベルの主観・客観でプランニングします。ターゲットユーザー・ペルソナの設定、それに伴う検索クエリ(重要キーワード)の仮説立案やメタ情報のチューニング、検索における競合調査など。

コンテンツマーケティング実践構想

このコンテンツマーケティングを実施するか否かは別として、核となるオウンドメディアに送客したり、誘導するのに有効なSNSやBLOGでのプロモーション(バズ・拡散)は、事前検討をしておきます。

広告投入計画

SEOと並行して、必要に応じ検索連動広告等のWeb広告や純広告の投入を検討します。

MA管理

意外となおざりにされているのが、新規問合せの受付とその後の進捗管理。詳しく後述しますが、MAシステムを導入するのは一つの方法です。苦労して、社運を背負って取り組み始めたBtoBのWebマーケティング。問合せの1件たりとも無駄にできません。システムにこだわらず、自社にて進捗管理、その情報共有さえできれば自前の管理様式で十分とも言えます。

関連する各種ツールの計画と制作着手

Webマーケティングを巡る周辺の関連ツールはたくさんあります。例えば前述のMAツールもそうです。Web広告のコンテンツ制作、実働部隊の営業パーソンの各種営業ツール、製品パンフレット、商品カタログ、会社案内、プレゼン用PPT等があります。これも詳しく後述します。

2. オウンドメディアの品質

BtoBユーザーは業者選定に慎重でうるさい?

オウンドメディアを戦力として活かすことが前提の当テーマとして、現状サイトをそのままで活かすのか、リニューアルか、新規制作なのか、いずれも核となるオウンドメディアが対象です。
そこで精査しなければならないのは、
対象とする現状のオウンドメディアが、Webマーケティングを実行してBtoB取引を目指せるコンテンツ品質なのか?厳しいBtoBユーザーの審査に耐えうるのか?ということです。
BtoBユーザーは業者を選定するのに大変慎重ですし、検索によりWebサイトを閲覧し、そこでまずは第一次的な審査が始まるからなのです。もちろん企業、製品・サービスを対象としてです。

さらに上質なWebコンテンツを求めている

それはなぜか?
BtoBユーザーは単にいい製品や自社にマッチしたサービスを求めているだけではありません。
その製品やサービスの付加価値や専門性に深く言及し、閲覧ユーザーに有益な情報発信がなされているのか?
検索で俎上に上がった各社サイトを比較閲覧して、差別的で独自情報が準備されていることなど、コンテンツのクオリティが保たれているか?
さらにサイト自体の階層や構造、使い勝手、デザイン性からモバイル対応、セキュリティ...等、サイトクオリティまでも審査対象になることは特に珍しいことではありません。
少なくとも専門性薄く、深みのない、上っ面をさらうような、しかも売り売りだけのコンテンツでは、たとえ検索1位であっても、恐らくユーザーは検討対象からは外すでしょう。
以上を踏まえ、現状維持かリニューアルか、はたまた新規で別サイトか?
事前にしっかりと精査すべきでしょう。

品質を求めるのはBtoBユーザーだけでない?

結論から言うとそれはGoogle自身です。ご存知の通り進化したアルゴリズムやAIの先鋭化により、Googleは日進月歩で検索品質を研ぎ澄ましています。
要約して述べると、独自性が高く、専門的で、客観性があり、普遍的な情報をWebサイトに求め、それを検索順位を決定づけるGoogleの評価基準に含めていること、これは紛れもない事実であり、Google自体もそういう声明を出しています。
これからSEO対策を施し、競合と戦っていく上では、このGoogleの審査にもさらされるのです。

競合はリアルとサイバーで異なる?

事前リサーチとして同様の製品やサービスを提供している競合調査は必須です。
これも日常のリアルマーケットで競合している他社と、一方でサイバー競合、つまり検索結果で順位を競う競合があります。
さてWebマーケティングでは、第一義的にどちらをベンチマークとすべきでしょう?
もちろん後者です。
あくまでもオウンドメディアを活用するWebマーケティングですので、マークすべきはサイバー検索競合となります。
もちろん実行前はまだその検索結果の中には存在しないので、相手にとっては競合以前ですが、
目指す検索クエリでどこを狙うのか?
来るべき時点を見据えて、検索結果に存在する競合のコンテンツを分析し、少なくとも相対的に優位性を持てる、勝てるオウンドメディアを目指す戦略建てです。

戦略の重要性とGoogle評価を視野に置く

以上これからWebマーケティングで戦う準備としてオウンドメディアに求める要件を縷々述べてきましたが、このオウンドメディアを戦うコア戦力とする以上、ここでのプランニングやリサーチがいかに重要かをご理解いただけたと思います。
ユーザーはもちろんのこと、ことの外、Google対策を視野に置いた事前準備の必要性もおわかりいただけたと思います。
いずれにしてもオウンドメディアには、BtoB新規取引を目指し、目指す良質なユーザーをキャッチアップする重要なミッションを担ってもらうため、少し広めに深い言及をしました。
このオウンドメディアをBtoBで活かすため、コンテンツ内容に深く言及した当サイトの「BtoBサイト制作」も併せてご覧ください。
次は実践的な検索エンジン対策に移ります。

3. BtoBのSEO対策の勘所

検索クエリの選定

良質なターゲットにリーチするクエリ

SEO対策で最も時間を惜しまず精査しなくてはならないのが、検索クエリ、いわゆる対策キーワードの選定です。
その際重要なのが、何を要素として最適化することが、最も狙った良質なユーザーにリーチできるか?ということ。
BtoBの場合、このクエリ選定が施策の鍵を握っているといっても過言ではありません。

BtoB取引で例えば、
不動産、金属加工、ビルメンテンナンス...などの業種なのか、
IoTやAIシステム、不動産投資、化学薬品...など製品やサービスレベルなのか、
コストダウン、生産性や歩留まりを高める、新卒採用で母集団を確保する、などの動機や目的レベルなど。

以上様々なファクターを切り口として、目的の企業間取引をどのように実現するか、つまり少々エグい表現をすると、どこに宝が眠っているのか、その言わば宝の検索クエリを見つけ出す、トレジャーハンティングのような意識で臨みたいものです。

眠れる宝のクエリをどう探すか?

BtoBの特性として大きなクエリとニッチなクエリが業種や業態によって別れる傾向があります。
大きなクエリと言えば、例えば保険、飲料メーカー、アパレル、工作機械...など最終製品やサービスが可視化できる、日常でイメージできるワードです。
一方ニッチなクエリでは、OOH(広告)、充填機(飲料製造)、アセンブリ(IT)、リート(不動産投資)、スラブ(建設)...等、業界用語や専門性の高いワードなど、実際に検索し目視で上位に存在する競合をリサーチします。
それらをヒントに候補にするクエリは、先入観や主観に陥らず、あくまで客観的に潜在ユーザーの立場で、なるべく多数列挙します。
ここで大事なのが、クエリは固有名詞ではなく『一般名詞』とすることです。
さらにオウンドメディアの大中小のカテゴリー、それらの傘下にある各製品やサービスから、WebマーケティングでBtoB取引を目指したい一般名詞をリストアップします。

組合せワードで試行錯誤

実行当初は大きな単独クエリで攻めるより、ニッチワードやそれらの組合せで取組む方が、より現実性があるかもしれません。
そこは計画段階でのリサーチで徹底的に分析したいものです。
とは言え、計画での仮説を綿密に行っても、実際スタートさせた時点では見込違いや想定外のことが起こる、と思っていた方がよく、撤退、再検討、仕切り直し、などといったことは枚挙にいとまがありません。
後述しますが、実施後のPDCAサイクルによる効果検証を、懲りずに行っていくことです。
少なくとも半年、1年〜2年の中長期戦で臨む覚悟が必要です。

メタ情報の最適化

独自性があり専門性の高い良質なコンテンツのオウンドメディアができ、SEOクエリの精査がなされたら、ページごとの固有のテーマに沿ったユーザーへのメッセージを、メタエリアに仕込みます。
具体的には、メタタイトル【title】属性、メタディスクリプション【discription】は、それぞれ全角35字、125文字以内で調整すると、検索結果の表記を途切れることなく制御できます。
その中において、特にメタタイトル=【title】属性の記述は最も重要で、サイトやページ内のコンテンツのテーマを表し、検索結果に大きく影響するのもです。
またメタディスクリプションの表記は、スニペットという検索結果に表記される説明文です。
ここのライティングはページテーマを簡潔にまとめ上げることはさることながら、ターゲットとするユーザーのインタレストにも響くよう、ライティングの腕の発揮どころです。

テクニカル要件・間接要件

レスポンシブデザイン

一方で、直接順位への影響というより、むしろ未導入では一つもメリットは無い、といえる機能要素です。
その代表格がレスポンシブデザインです。Googleはモバイルファーストの声明を明確に出しており、未対応の場合、順位下落は避けて通れません。

当サイトTOPのPC版
当サイトTOPのスマホ版
常時SSL化

次にSSL対応です。ユーザーのセキュリティをGoogleとして保全する狙いから、2018年からサイト自体を常時SSL化を推奨しています。現状ではすぐにペナルティを受けることは無いようですが、現状ブラウザのChromeでは未対応のサイトには「保護されていない通信」とアドレスバーに記載されます。
今後は何らかのペナルティを実施することになっていく可能性があると考えられます。

構造化マークアップ

これはGoogleの推奨している「JSON-LD」という、いわゆる構造化マークアップと言われるものです。
検索結果に表示させているそのページの、サイト内での階層位置を検索ユーザーに伝えるもので、検索結果の見え方は、「パンくず」のような表記となります。これを「リッチスニペット」といいます。
現状ではこの構造化マークアップが即、検索結果に影響を及ぼすものではありませんが、リッチスニペット表記により、検索ユーザーからはクリックされやすくなる、という効果が期待できるものです。

Google検索結果一覧ページ

4. BtoBのコンテンツマーケティング

BtoBにおけるコンテンツマーケティングの狙いは、SNSのコミュニティを活用したり、Blogで価値ある情報の発信をすることで、その情報拡散、シェアの促進を図るマーケティング手法にあります。
中でもBlogは自社の新製品情報・仕様変更情報、展示会出展、セミナー開催や登壇情報等の公式なトピック情報から、投稿担当者の仕事ぶりやその横顔など、オフィシャルサイトには無いBlogで発信するに相応しい日常的な情報発信をしながら、関心を持つユーザーとのコミュニケーションの機会とする。そこからオウンドメディアへの誘導につなげ、リードづくりや最終的にはコンバージョンにつなげていくプロセスづくりとなります。
このようにBtoBと言えども、企業Facebookや担当者Blog、エンジニアBlogで様々な情報を発信し、製品動画、企業動画等を公開するなど、SNSやBlogを情報拡散のメディアとして活用するコンテンツマーケティングは、企業間取引における集客策にも非常に適している側面があります。

5. 効果検証・PDCAの実行

継続的な定点観測の実施

サーチコンソールでサイト登録

ご存知Googleが提供するサーチコンソール(Google Search Console)にサイトを登録します。そこでまず「XMLサイトマップ」を登録しますが、これによりクローラーが正常に巡回できるようになり、 ページ情報を確実に収集してもらえるようになります。
またそのサーチコンソールで提供されている「URL検査」というプログラムがありますが、その後にページのチューニングを加えたり、コンテンツや記事の更新をした場合に、ページ単位でスピーディに再登録を促すことができ、Googleデータベースを最新に保つことができます。

順位チェック

当初は上位どころか100位圏外からのスタートであることが多いと思われます。
100位以内にランクインするまでには最低でも2ヶ月、場合によっては1年〜2年以上かかることも珍しいことではなく、じっくりと腰を据えて三日坊主にならないよう取り組みます。
ニッチなクエリの場合は比較的早く上位に表示されることもあるため、短期サイクルで継続的にしっかり観測していきたいものです。

アナリティクスの登録と活用

サーチコンソールと共に、アナリティクス(Google Analytics、以降GA)のサイト登録をします。
使いこなすのは最初はなかなか大変ですが、ノウハウ本でも参照されることをお勧めします。
対策開始時点では、アクセスデータの蓄積のみの傾向になりますが、この蓄積データは分析する上で非常に重要な定量データになりますので、結果が出る出ないではなく、この時点ではデータを貯めていくことが求められます。
対策を打つ検索クエリが徐々に上位を獲得できていけば、示すデータに変化が見られるようになります。クエリが複数に至ればさらに顕著に現れます。

KGI設定とKPIチェック

このGAで定点チェックしていく上では、CV(コンバージョン)目標=KGI(※1)や、セッション数、ページビュー数、滞在時間、直帰率、離脱率等の進捗管理=KPI(※2)、この2つの指標で管理していくことで、だろう、はずだ、等の経験則や主観から脱却し、自社で苦心して作り上げてきたオウンドメディアを、ある意味白日の下にさらし、ターゲットとするユーザー、それにGoogle、この両者の厳しい評価を数値化できるため、一切のごまかしや、情緒的な予定調和の入り込む余地がなくなることになります。この客観性がWebマーケティングには非常に重要です。
※1/KGI=Key Goal Indicator
※2/KPI=Key Procces Indicator

結果の出ない検索クエリや仮説の見直し

例え選定された検索クエリで検索上位を達成できても、セッション数が少ない、さらにそこにはターゲットユーザーが存在しないのでは取引どころか、反響にもつながりません。
この場合、検索クエリの勇気ある見直しが必要です。
当該ページのコンテンツやテーマを変更しなければならないこと、場合によっては企画や仮説の大きな軌道修正も辞さずに取組む必要があります。

求めないペルソナの反響による軌道修正

検索上位を達成してもそこから流入するユーザーが、求めないユーザーばかりという場合があります。実は結構これは多い。
例えば、付加価値の高い製品・サービスを提供しているにも関わらず、CV、問合せのほとんどが、低価格ユーザーや価値を無視するユーザーだとすれば、求めるターゲットユーザー、ペルソナの不一致を起こしている可能性があります。
一方で不一致はないが、コンテンツ品質がターゲットペルソナの期待に沿っていないこともあります。
この場合、検索クエリ、サイトコンテンツの両軸で再検討する必要があります。
Webマーケットには上質なユーザーが必ず潜在しています。
そのターゲットとするユーザーにいかにリーチするか、
つまりこのWebマーケティングを推進する上で、飽くなき挑戦であると言えます。

6. 反響受付・MA管理

求めるユーザー、目指すユーザーの問合せや反響につながる状況になったら、その次の段階に移ります。
計画段階から求めるユーザーにリーチする戦略を唱えてきた立場として、実際の反響・問合せをどう管理するのか。問合せから営業パーソンに引き継ぎ、それからどのようにリード(見込み客)として摂りこみ、顧客になるまでのプロセスづくりを創出するか、さらにそれを部内で共有する。
これらの一連のマネジメントを行うにあたって、統計的な管理・分析ができ、その情報が共有できるMA(マーケティング・オートメーション)システムは心強い味方になります。
しかしながら必ずしもMAシステムの選択でなくても、必要最低限、自社内で管理運営でき、情報が共有できる様式であれば、ローカルな自前でも十分と言えます。

7. 営業パーソンの活動開始

ここからは当テーマであるWebマーケティングからすると、一見守備範囲外と思えそうですが、冒頭でも述べた通り、企業間取引における「周辺の重要度の高い要因」の一つと言えるので、当サイトでは積極的に関与していきます。

営業パーソンの活動ツール

検索を通じ、オウンドメディアを経由して問合せにつながり、MAでの受付・登録を完了した後、営業パーソンに引き継がれ、問合せユーザーへの連絡により晴れて商談の機会へ。
これでようやく取引の成就に向け第一歩を踏み出したというところです。
さてそこでこの活動で営業パーソンの必要となるのが、いわゆる営業活動ツールです。
会社案内をはじめ、製品やサービスのパンフレット・カタログ、リーフレット、実績集、PPT...等々、ぬかりなく準備したいものです。
一方で、オウンドメディアから資料請求のケースもありますので、この場合前述の営業パーソン必携ツールとは異なり、資料請求向けの紙媒体ツールが必要です。
またオウンドメディアからのホワイトペーパーやカタログ資料等のダウンロードなども含め、資料を見たユーザーが次のアクションを起こしてくれる、次につながる工夫が必要です。
これは後述の「リードナーチャリング」で触れます。

意思決定プロセスを踏まえた営業パーソンの活動

企業間取引における企業の意思決定プロセスについて、弊社では独自の理論【ARSICA】を展開しています。 一般的に用いられる購買行動、消費行動のパターンでは、
AIDMAやAISASがありますが、
これはいずれも個人の消費行動であり、企業の購買行動に結びつけるには無理があります。
従って営業パーソンは、企業の購買に至る行動パターンを踏まえ、活動することが求められます。
参考までに弊社で提唱している【ARSICA】をご紹介しておきます。

【ARSICA】
1
課題/Assignment(課題の顕在化)
2
調査/Research(解決策の検討)
3
選定/Selecting(製品・サービスや業者の比較・選定)
4
検証/Inspection(製品・サービスの審査、業者の資格審査)
5
承認/Consent(社内決済・承認)
6
行動/Action(実行)

ここで若干説明を加えておきます。
やはりBtoB独特の論理とも言えますが、【選定/Selecting】【検証/Inspection】【承認/Consent】の三過程が個人の購買とは大きく異なるところです。
【選定/Selecting】です。前段の「調査/Research」にて一定の解決策の方向性が示されたなら、対応する業者の比較選定が行われます。検討テーマが高額であればあるほど、複数社が俎上に登り、個別商談や業者プレゼンの機会が持たれます。そこである程度の絞り込みが行われ、次に進みます。
【検証/Inspection】これは絞り込まれた製品・サービスの機能、期待効果、価格などの適正や審査が入念に行われます。場合によってはデモ版導入、導入シミュレーションも行われ、製品・サービスの審査だけでなく、取扱企業の審査や与信も行われます。
【承認/Consent】いよいよ最終段階です。当該の製品・サービスを提供する業者を最終決定し、社内稟申を行い決済を受けます。

受注を獲得する企業の意思決定プロセスを踏まえ、そこにうまくフィットさせた、必要に応じてユーザーのニーズを先取りした活動、ユーザーの稟申を支援する行動や情報提供にも、ユーザーの購買意識を高める作用があることを心得ておきたいものです。

8. リードナーチャリング

リードナーチャリングが必要な根拠

このテーマ最後の章、『リードナーチャリング』です。
馴染みのない方もおられると思いますが、一言で言えば「見込み客醸成」です。
この施策の意義は、BtoBユーザーの特性として、検討期間が長くかかり、そう簡単には決着を見ない、という傾向があることに着目し、そこに様々なアプローチやリマインドを重ねることにより、見込み客に育成していくものです。
それは前項目でも言及の通り、高額な設備投資となる企業の資本計画にも及ぶ問題となることも多く、複数社のコンペティションで、検証や稟申を経て取引業者、または取引製品・サービスが決定されていくという、多次元の複雑なプロセスを経るため長期戦になることは、特に珍しいことではないことによります。

捉えたリードをしっかり捕捉して育成

しかしながら営業パーソンだけでその息の長さをカバーするのは困難な側面もあり、『リードナーチャリング』という手法を併用しながら、商談進行だけでない様々なアプローチで、くまなくチャンスロスを防ぐものです。
またオウンドメディアからの資料請求やホワイトペーパーのダウンロードユーザーは、当面リードとしては確度は高くなく、即商談する機会もなく、とは言え近い将来非常に有力なリードになる見込みを秘めている可能性があります。
従って実際に商談を進めているユーザー、資料請求やダウンロードユーザー、共にメルマガ登録を促し、各種イベント開催、展示会出展、新製品・新サービス発表会、セミナー開催、個別相談会、資料請求...などの通知招聘を行いながら、リードの見込み度をより一層濃くしていく戦略的取組みが大変有効だと言えます。

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