公開日:2026.08.03

士業事務所のサイトを作り替える理由は、多くの場合デザインの古さではありません。
法人化、CIロゴの刷新、事業領域の拡大——組織が変わったことが契機になります。
ホームページ制作専科が、士業サイトのリニューアルを何から着手し、
どの順で進めるかを工程に沿って解説します。
士業事務所のホームページリニューアルは、一般企業のサイト改修とは契機が異なります。
デザインの陳腐化や機能不足よりも、個人事務所から法人への移行、CIロゴの刷新、取扱領域の拡大といった組織の変化が起点となる場合が多くあります。
この場合、必要な作業はデザインの刷新ではなく、組織の変化を対外的に伝わる形へ翻訳することです。
工程としては、変化の言語化、既存サイトの評価と引き継ぐ資産の特定、情報設計の再構築、掲載物の同意の再確認、実装と公開という順序をとります。
とくに掲載する実績や事例については、資格ごとの広告規律にもとづき同意の有効性を確認する必要があり、この作業は設計段階で洗い出しておかなければ公開直前の停滞を招きます。
本ページでは、士業サイトのリニューアルを工程に沿って整理します。
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士業事務所からリニューアルのご相談をいただくとき、きっかけを伺うと共通する答えが返ってきます。
デザインが古いからではありません。
組織が変わったからです。
個人事務所から法人へ移行しました。
CIロゴを刷新しました。
取扱領域を広げました。
人員が増えました。
——変化が先にあり、サイトが追いついていない状態が相談の起点になります。
税理士では、日本税理士会連合会の公表によると令和8年6月末日現在で税理士法人の届出が主たる事務所5,304件に達しています。
法人という組織形態は、士業にとって標準的な選択肢になりました。
そして法人化で変わるのは名称だけではありません。
責任の所在、体制の規模、対応できる領域の広さが変わります。
旧サイトのままでは、実態と発信のあいだにずれが残ります。
この場合に必要な作業は、デザインの入れ替えではありません。
何が変わったのかを、対外的に伝わる形へ翻訳することです。
個人事務所から弁護士法人・税理士法人・行政書士法人などへ移行するタイミング。
格を示す必要が一段上がります。
私たちが担当した事務所では、個人事務所から弁護士法人への移行を機に「より高い信頼と品格を備えたブランドイメージの確立」を目標に据え、サービスと競合優位性を整理し直しました(神田お玉ヶ池法律事務所 様)。
行政書士法人の事例では、法人化に伴う全面リニューアルにあたり、ビザ申請・帰化申請に特化した事務所の性格を訴求軸としました(行政書士法人タッチ 様)。
法人化は「何を専門とする組織なのか」を再定義する機会でもあります。
ロゴが変われば、サイトの視覚設計は全面的に影響を受けます。
社会保険労務士法人の事例では、ロゴマークに込められた三つの輪——志高・信頼・感謝——をキービジュアルへ展開し、コーポレートカラーのインディゴブルーとベージュブラウンで知的な雰囲気を醸成しました(OURS小磯社会保険労務士法人 様)。
ロゴの理念をWebの視覚言語へ翻訳する作業が、この種のリニューアルの中心になります。
単に新しいロゴを差し替えるだけでは、刷新の意図が伝わりません。
会計・税務コンサルティングの事例では、会計・税務からファイナンス、経営戦略までの幅広い専門領域と、それを担う人材の豊富さを表現することが課題でした。
ナビゲーションの冒頭に「多様な専門性」を据え、ミッション・ビジョン・バリューのページを設けて「頭脳集団」としての性格を打ち出しています(株式会社アクリア 様)。
上記のような契機がなくても、旧サイトの課題が積み上がっている場合があります。
私たちが手がけた事務所では、ユーザビリティの改善をはじめ、デザイン性、構造、UI設計、コンテンツライティング、ブランディングに至るまで全面的に作り替えました(弁護士法人ライズ綜合法律事務所 様)。
部分的な修正では追いつかない段階に達しているかどうかが、判断の分かれ目になります。
リニューアル全般の考え方(業種を問わない一般論)は「ホームページリニューアル制作」で解説しています。
本ページは士業固有の論点に絞ります。
最初にやるべきことは、デザインの検討ではありません。
「何が変わったのか」を言葉にすることです。
法人化したなら、体制はどう変わったか。
対応できる領域はどう広がったか。
責任の持ち方はどう変わったか。
CIを刷新したなら、そこに込めた理念は何か。
ここが曖昧なままサイト制作に入ると、見た目だけ新しく中身は旧サイトのままという結果になります。
旧サイトのすべてが不要なわけではありません。
検索から流入のあるページ、外部から参照されているページ、既存顧客が参照しているページ——評価が蓄積している資産を捨てないことが原則になります。
URLをどう扱うかもここで決めます。
既存URLを維持して中身を作り替えるのか、URL体系そのものを再編するのか。
再編する場合は、旧URLから新URLへ確実に転送する設計が必要になります。
評価の引き継ぎを設計しないリニューアルは、公開直後にアクセスを失います。
変化の言語化(STEP-01)を、サイト構造へ落とす工程。
取扱領域の並べ替え、階層の再設計、相談への導線の引き直し。
士業の場合、資格ごとに設計の軸が異なります。
顧問契約という継続関係を前提とする税理士事務所と、単発受任が中心の法律事務所では、載せる情報の優先順位が変わります。
詳細は「税理士ホームページ制作」「弁護士ホームページ制作」で解説しています。
リニューアル固有の落とし穴がここにあります。
旧サイトに掲載していた実績・事例・顧客名を、新サイトでもそのまま載せられるとは限りません。
弁護士の場合、顧問先又は依頼者、受任中の事件、過去に取り扱い又は関与した事件の表示には、書面又は電磁的方法による同意が要件となります(日本弁護士連合会「弁護士等の業務広告に関する規程」第4条)。
同意は範囲や有効期限を明示して得るべきものとされており、旧サイト公開時の同意が新サイトの掲載範囲を覆っているかは、確認しなければ分かりません。
税理士・司法書士・行政書士など他の資格でも、それぞれの会則や倫理規程にもとづく規律があります。
この確認は設計段階で洗い出しておきます。
公開直前に持ち越すと、掲載可否の判断で工程が止まります。
規律の全体像は「士業の広告規制とホームページ」で扱います。
制作を実行し、デバッグと校正を経て公開します。
STEP-02で決めたURL設計にもとづく転送設定を、公開と同時に確実に反映させます。
公開して終わりではありません。
流入の変化、検索順位の推移、問い合わせの内容の変化を見ます。
リニューアルの目的(STEP-01で言語化した内容)が達成されているかを検証し、必要なら調整します。
私たちの標準スケジュールは、小中規模で3〜4ヶ月、大規模で6〜8ヶ月です。
士業サイトの場合、これに加えて考慮すべき要素があります。
掲載物の同意確認に時間を要する場合があるという点です。
既存の顧問先へ確認を取る作業は、事務所側の手間になります。
工程表にこの時間を織り込んでおかないと、後半で圧迫されます。
また、法人化に合わせて公開時期を固定したい場合は、逆算での進行管理が必要になります。
登記や名称変更のタイミングとサイト公開を揃えるなら、同意確認と制作を並行させる設計にします。
URLを変えたのに転送を設定しない、あるいはページを統合したときに旧ページの内容を引き継がない——これで評価は失われます。
STEP-02の資産特定を省略すると、公開直後に流入が落ちます。
新規獲得を意識しすぎると、既存顧客がよく参照していたページが消えます。
リニューアルの目的に「既存顧客の利便性維持」を含めておく必要があります。
沿革、これまでの取り組み、事務所の歴史。
新しさを追って過去を消すと、実在性と信頼の材料を減らすことになります。
士業のようにEEATが問われる領域では、蓄積そのものが資産です。
士業サイトのリニューアルは、組織の変化を対外的に翻訳する作業です。
最初に「何が変わったのか」を言語化し、旧サイトの資産を特定して引き継ぎ、情報設計を再構築します。
掲載物の同意は設計段階で洗い出します。
公開後は目的に照らして検証します。
この順序を守れば、見た目だけ新しいサイトにはなりません。
法人化やCI刷新を控えている、あるいは旧サイトが実態に追いついていない——そうした状況であれば、まず何が変わったのかをお聞かせください。
工程と期間をご提案します。
リニューアルは何から着手すべきですか。
デザインの検討ではなく、「何が変わったのか」を言葉にすることから着手します。
法人化したなら体制はどう変わったか、対応できる領域はどう広がったか、責任の持ち方はどう変わったか。
CIを刷新したなら、そこに込めた理念は何か。
ここが曖昧なまま制作に入ると、見た目だけ新しく中身は旧サイトのまま、という結果になります。
旧サイトのURLは変えてもよいのでしょうか。
変えること自体は可能ですが、旧URLから新URLへ確実に転送する設計が必要です。
検索から流入のあるページ、外部から参照されているページ、既存顧客が参照しているページ——評価が蓄積している資産を捨てないことが原則です。
URLを変えたのに転送を設定しない、ページを統合したときに旧ページの内容を引き継がない、といった対応で評価は失われます。
旧サイトに載せていた実績は、そのまま新サイトへ移せますか。
移せるとは限りません。
弁護士の場合、顧問先又は依頼者、受任中の事件、過去に取り扱い又は関与した事件の表示には、書面又は電磁的方法による同意が要件となります(弁護士等の業務広告に関する規程 第4条)。
同意は範囲や有効期限を明示して得るべきものとされているため、旧サイト公開時の同意が新サイトの掲載範囲を覆っているかは、確認しなければ分かりません。
この確認は設計段階で洗い出します。
期間はどのくらい見ておけばよいですか。
標準スケジュールは小中規模で3〜4ヶ月、大規模で6〜8ヶ月です。
士業サイトの場合、これに加えて掲載物の同意確認に時間を要する場合があります。
既存の顧問先へ確認を取る作業は事務所側の手間になるため、工程表にこの時間を織り込んでおかないと後半で圧迫されます。
法人化の時期に合わせて公開できますか。
可能です。
登記や名称変更のタイミングとサイト公開を揃えるなら、逆算での進行管理を行い、同意確認と制作を並行させる設計にします。
リニューアルで気をつけるべき「失うもの」は何ですか。
三つあります。
転送や内容の引き継ぎを怠ることで失われる検索評価、新規獲得を意識しすぎて既存顧客がよく参照していたページを消してしまう利便性、そして新しさを追って沿革や過去の取り組みを消してしまう事務所の蓄積です。
士業のようにE-E-A-Tが問われる領域では、蓄積そのものが資産になります。
リニューアルは、士業サイトの設計全体のなかの一工程です。
何を載せ、どう構造化するかという設計論は、総合ガイドでご確認いただけます。
士業全体のホームページ設計を体系的に解説しています。
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法人化やCI刷新を控えている、あるいは旧サイトが実態に追いついていない。
まず何が変わったのかをお聞かせください。

アイムアンドカンパニー株式会社 〜設立1999年、創業27年目を迎える〜
代表取締役社長
1956年生まれ 福岡県出身|九州産業大学卒業
江崎グリコ株式会社にて九州支店販売企画課長、本社営業本部営業企画グループ長を歴任し、セールスプロモーション、広告、マーケティングに携わる。TV広告連動のSP展開では、大手広告代理店への発注責任者も務める。
脱サラ後1999年福岡で有限会社オフィス・アイムとして独立、2012年にアイムアンドカンパニー株式会社に組変・社名改変、恵比寿、渋谷から現在の港区赤坂に移転、現在に至る。
同社では黎明期より代表ながらデザイナー、アカウントプランナー、プロデューサーのマルチプレイヤーを務める傍ら、2000年にはオウンドメディアのパンフレット専科の立ち上げからSEOマーケティングを実践主導、リード獲得のWebチャネル確立に25年以上のSEOキャリアを持つ。
獲得した顧客には沖電気、三井化学、ユニ・チャーム、ブリヂストン、日亜化学工業、伊藤忠商事などの大企業はじめ、慶應義塾、早稲田などの総合大学、また古巣の江崎グリコも含み、制作実績は3,000作品に昇る。創業30年に向け、AI新時代のオウンドメディア運用を代表自ら先導する。