公開日:2026.10.01

ホームページリニューアルのCMS選定と運用保守【自社更新の設計】

ホームページリニューアル後も自社で更新を続ける、CMS選定と保守設計の解説

リニューアル後に自社で更新できないサイトは、すぐに情報が古くなります。
本記事では、CMSの選定基準と、公開後の保守・運用体制をどう発注条件に落とすかを解説します。
発注前に決める6つの基準の全体像は、総合ページ「ホームページリニューアル」をご覧ください。

この記事のポイント

CMSの選定は、機能比較ではなく「誰が、どの頻度で、どこを更新するか」から決まります。
更新担当者のスキル、更新対象の範囲、承認フローの有無を先に決めると、必要な権限設計と管理画面の要件が定まります。
公開後の保守は、サーバー管理、セキュリティ更新、バックアップ、障害対応、軽微修正の5つに分解でき、どこまでを保守契約に含めるかで月額が変わります。
この2点は発注条件として明文化します。

第1章|自社で更新できないサイトは、すぐに古くなります

リニューアルの直後は、どのサイトも新しい情報で整っています。
しかし、公開後に新製品の情報、実績、採用情報、お知らせを自社で追加できないと、サイトの情報はすぐに古くなっていきます。
更新のたびに制作会社へ依頼していると、費用と時間がかかり、次第に更新そのものが止まります。

リニューアルを検討する理由として、「情報が古いまま」「社内で更新できない」という声は少なくありません。
前回のリニューアルで、公開後の更新を設計していなかったことが、次のリニューアルの原因になっているのです。
同じことを繰り返さないために、CMSと保守の体制は、リニューアルの発注条件として最初に決めておきます。

第2章|CMSは「誰が・どこを・どの頻度で」から選びます

CMS(コンテンツ管理システム)は、専門知識がなくてもページを更新できる仕組みです。
CMSを選ぶときに、製品ごとの機能を比べることから始めると、判断がつきません。
先に決めるのは、誰が、どのページを、どの頻度で更新するのかです。
この3つが決まると、必要な機能と、管理画面に求める使いやすさが定まります。

01 更新担当者のスキル

更新を担当する人が、Webの知識をどの程度持っているかを確認します。
広報や営業の担当者が兼務で更新する場合は、文章と画像を決められた枠に入れるだけで更新できる管理画面が向いています。
Webの担当者がいて、ページの構成まで自由に変えたい場合は、編集の自由度が高い仕組みを選べます。
担当者が異動しても引き継げるように、操作が複雑になりすぎないことも大切です。

02 更新対象の範囲

すべてのページをCMSで管理する必要はありません。
お知らせ、実績、製品情報、採用情報など、更新の頻度が高いページを中心にCMSで管理します。
会社概要のように更新が少ないページまで細かく管理できるようにすると、CMSの開発費が上がります。
更新するページと、しないページを分けることが、費用を抑えることにもつながります。

03 承認フローの有無

担当者が更新した内容を、公開前に上長や広報部門が確認する必要があるかを決めます。
上場企業や、複数の部署が情報を発信する企業では、承認の手順が必要になることが多くあります。
承認フローが必要なら、下書き・確認・公開の権限を分けられるCMSを選びます。

第3章|WordPressか、他のCMSか

CMSには、多くの企業サイトで使われているWordPressのほか、さまざまな製品があります。
どれが優れているかではなく、第2章で決めた条件に合うかで選びます。
ホームページ制作専科では、WordPressとMovable Typeに対応しています。

01 WordPressが向く場合

WordPressは、利用者が多く、対応できる制作会社も多いCMSです。
お知らせや実績、コラムなど、記事の形で情報を追加していくサイトに向いています。
制作会社を変えることになっても、引き継ぎ先を見つけやすいことも利点です。
一方で、利用者が多い分、狙われやすいため、公開後のアップデートを欠かさないことが前提になります。

02 他のCMSを検討する場合

社内の規定で使えるシステムが決まっている場合、複数の言語や拠点のサイトをまとめて管理したい場合、セキュリティの要件が厳しい場合などは、ほかのCMSも候補になります。
その場合も、第2章の3つの条件と、公開後に保守できる体制があるかを基準に選びます。
特定の制作会社しか扱えない仕組みを選ぶと、将来の選択肢が狭まります。

03 移行時に確認すること

今のサイトから新しいCMSへ移るときは、次の点を確認します。

  • 既存のお知らせや実績の記事を、新しいCMSへ移すかどうか、移す場合は誰が作業するか
  • 記事のURLが変わるかどうか、変わる場合のリダイレクトの設定
  • 画像やPDFなどのファイルの移し方
  • 旧CMSの管理画面をいつまで残すか

URLが変わる場合の考え方は、サイトリニューアルのSEOの専門記事で解説しています。

第4章|更新の権限設計と運用フロー

CMSを入れても、誰が何をしてよいのかが決まっていないと、更新は進みません。
公開前に、次のことを決めておきます。

決めること 内容
権限 記事を書ける人、公開できる人、サイトの設定を変えられる人を分ける
担当範囲 どの部署が、どのページを更新するのか
承認の手順 下書き、確認、公開の順番と、確認する人
更新の頻度 お知らせや実績を、どのくらいの間隔で追加するのか
困ったときの窓口 操作がわからないとき、表示が崩れたときに誰に連絡するか

権限は必要な人に必要な範囲だけ渡すのが原則です。
全員が管理者の権限を持っていると、誤ってサイトの設定を変えてしまうことがあります。
運用のルールは、公開前に文書にし、操作の説明とあわせて担当者に渡しておきます。

第5章|公開後の保守は5つに分解できます

サイトを公開したあとは、表示と安全を保つための保守が必要です。
保守は、次の5つに分けて考えると、何を依頼すればよいかが整理できます。

01 サーバー管理

サイトを置いているサーバーの契約、容量、稼働状況の管理です。
サーバーを自社で契約するのか、制作会社が用意するのかで、管理の責任が変わります。
どちらが契約者かを、発注時に決めておきます。

02 セキュリティ更新

CMS本体やプラグイン、サーバーのソフトウェアを最新の状態に保つ作業です。
更新を止めると、既知の弱点を狙った不正なアクセスを受けやすくなります。
CMSを使うサイトでは、セキュリティ更新は欠かせない作業です。

03 バックアップ

サイトのデータと記事を定期的に保存し、問題が起きたときに元に戻せるようにしておく作業です。
どの頻度で保存し、どのくらいの期間分を残すのか、戻すときに誰が作業するのかを決めておきます。

04 障害対応

サイトが表示されない、フォームが送れないといった不具合が起きたときの対応です。
連絡してから、どのくらいの時間で対応してもらえるのかを確認しておきます。
問い合わせフォームが止まると、そのあいだの問い合わせを失います。

05 軽微修正

文字や画像の差し替え、リンクの修正など、小さな変更を依頼できる範囲です。
月に何回まで、どの程度の作業までを保守に含めるのかを決めておくと、追加費用のトラブルを防げます。

第6章|保守契約に何を含めるかで月額が変わります

保守の月額は、第5章の5つのうち、どこまでを契約に含めるかで変わります。
同じ「保守契約」という名前でも、サーバー管理だけの契約もあれば、セキュリティ更新や軽微修正まで含む契約もあります。
月額を比べるときは、5つのうち何が含まれているかをそろえてから比べます。

発注の前に、次のことを確認しておきます。

  • 5つの項目のうち、どれが保守契約に含まれるか
  • 軽微修正の回数と、作業の範囲
  • 障害が起きたときの連絡先と、対応の時間帯
  • 契約の期間と、解約するときの手続き
  • 解約したときに、サイトのデータや管理画面の権限を引き渡してもらえるか

特に最後の項目は、将来ほかの制作会社へ移るときに大切になります。
ドメイン、サーバー、CMSの管理権限を、自社で持てる形にしておくと、運用の選択肢を失いません。
当社の運用費の目安は、制作費・運用費ガイドラインで公開しています。

終章|まとめ CMSと保守は発注条件に書きます

公開後に自社で更新できるサイトにするには、CMSを「誰が、どこを、どの頻度で更新するか」から選び、権限と運用のルールを公開前に決めておくことが必要です。
公開後の保守は、サーバー管理、セキュリティ更新、バックアップ、障害対応、軽微修正の5つに分けて、どこまでを契約に含めるかを決めます。
CMSと保守は、リニューアルの発注条件として要件定義書に書いておきます。

CMSと保守は、ホームページリニューアルを発注する前に決める6つの基準のひとつです。
要件定義、見積の内訳、制作会社の見極め、検索評価を守る移行を含めた全体像は、総合ページで確認できます。

当社が対応しているCMSと更新システムについては、Web更新システムのページでご紹介しています。

よくある質問

Q1

Webの担当者がいなくても、自社で更新できますか?

A1

更新する人のスキルに合わせて管理画面を設計すれば、更新できます。
文章と画像を決められた枠に入れるだけで更新できる形にすると、広報や営業の担当者でも扱えます。
公開時に操作の説明を受け、手順を文書で残しておくと、担当者が変わっても引き継げます。

Q2

すべてのページをCMSで管理したほうがよいですか?

A2

更新の頻度が高いページを中心に管理するのが効率的です。
お知らせ、実績、製品情報、採用情報などをCMSで管理し、更新の少ないページは制作会社に依頼する形にすると、CMSの開発費を抑えられます。

Q3

WordPressは安全ですか?

A3

公開後にCMS本体やプラグインの更新を続けていれば、安全に運用できます。
利用者が多い分だけ狙われやすいため、セキュリティ更新を保守契約に含めるかどうかを発注時に決めておきます。

Q4

保守契約には、何が含まれていればよいですか?

A4

サーバー管理、セキュリティ更新、バックアップ、障害対応、軽微修正の5つのうち、どれが含まれるかを確認します。
あわせて、軽微修正の回数、障害時の対応の時間帯、解約時にデータと権限を引き渡してもらえるかを確認しておきます。

Q5

今のCMSから別のCMSへ移ることはできますか?

A5

移ることはできます。
既存の記事やファイルを移すかどうか、記事のURLが変わる場合のリダイレクト、旧CMSの管理画面をいつまで残すかを、移行の前に決めておきます。

 

CMSと保守は、ホームページリニューアルを発注する前に決める6つの基準のひとつです。
全体像は、総合ページで確認できます。

CMSと保守の条件は、要件定義書に書いてはじめて見積に反映されます。
CMSを移す場合は、URLの変更と検索評価の引き継ぎもあわせて確認します。


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