公開日:2026.07.23

採用サイトの作り方|載せるべきコンテンツは検討フェーズで変わる

採用サイトの作り方|載せるべきコンテンツは検討フェーズで変わるのイメージ

総合ガイド「採用サイト制作」の一項目です。
求職者は、検討フェーズごとに見たい情報が変わります。
その調査データをもとに、初めてでも迷わない採用サイトの作り方を、
載せるべきコンテンツと構成の設計手順として、
目的定義から公開後の運用まで順を追って整理しました。

この記事のポイント

採用サイトの作り方は、目的定義→ターゲット設定→掲載コンテンツ選定→構成・情報設計→公開後運用の順で進めます。
掲載すべき中核コンテンツは、募集要項、求める人物像(採用コンセプト)、事業内容・実績、企業理念・トップメッセージ、社員インタビュー、仕事紹介、待遇・福利厚生、選考フロー、FAQです。
重要なのは、求職者の検討フェーズ(インターン→応募判断→選考対策→内定承諾)によって求める情報が変わるため、フェーズごとに必要な情報へ到達できる構成にすることです。

序章|採用サイトは「求職者が知りたいこと」から逆算する

採用サイト制作は、「載せたい情報」から考え始めるとうまくいきません。
求職者が「何を知りたいのか」から逆算することが出発点です。
全体は次の5ステップで進めます。

STEP1 目的を定義する

「応募数を増やす」だけを目的にすると、母集団は増えても求める人材からの応募が増えない、という結果になりがちです。
採用サイトの目的は、応募数ではなく「求める人材の応募・入社・定着」に置きます。
新卒か中途か、どの職種を何名採りたいのか、現在の採用課題は認知不足か動機形成不足か——ここを言語化してから先に進みます。

STEP2 ターゲット(求める人物像)を設定する

誰に向けたサイトなのかが定まらないと、コンテンツもデザインもぼやけます。
求める人物像を、スキル要件だけでなく「価値観」「働き方の志向」まで具体化します。
この人物像は、後述する「採用コンセプト、求める人物像」コンテンツとして採用サイトに明示することになります。

STEP3 掲載コンテンツを選定する

ターゲットの意思決定に必要な情報を洗い出します。
ここは本記事の中核として次章で詳述します。

STEP4 構成・情報設計を行う

選んだコンテンツを、求職者がたどる順に配置します。
トップページで全体像と魅力を端的に伝え、詳細は下層ページで補足する構成が基本です。

STEP5 公開後の運用を設計する

採用は年次で動きます。
募集要項の更新、新しい社員インタビューの追加、応募データに基づく改善——「作って終わり」にしない運用設計まで含めて、はじめて採用サイトは機能します。

第1章|載せるべきコンテンツと選び方(検討フェーズ別)

求職者は「フェーズごとに違う情報」を見ている

採用サイトのコンテンツを考えるうえで最も重要な事実は、求職者が見る情報は検討フェーズによって変わるということです。
キャリタスリサーチの調査(2025年卒・回答1,030名)では、フェーズ別に「よく閲覧したコンテンツ」が明確に異なることが示されています。

出典:株式会社キャリタス/キャリタスリサーチ「2025年卒 採用ホームページに関する調査」2024年6月調査・回答1,030名。https://www.career-tasu.co.jp/wp/wp-content/uploads/2024/07/202407_hpchosa.pdf
検討フェーズ よく閲覧されるコンテンツ
インターンシップ等への応募・参加時 「事業内容、実績」60.1%が最多、次いで「企業理念、トップメッセージ」51.7%
参加後の振り返り・企業研究時 「事業内容、実績」45.1%に次ぎ、「日常の業務」41.7%が2番目に浮上(働くイメージの具体化)
エントリー・本選考に応募するかの判断時 「事業内容、実績」66.7%「待遇、福利厚生、ワークライフバランス」66.6%がともに6割超
エントリーシート作成時・面接前 「企業理念、トップメッセージ」73.4%が最多。「事業内容、実績」72.9%、「会社概要」60.3%に加え、「採用コンセプト、求める人物像」も53.3%
内定を承諾するかの判断時 「待遇、福利厚生、ワークライフバランス」が突出(68.9%)

このデータから読み取れる示唆は明確です。

  • 「事業内容、実績」は全フェーズで強い——採用サイトだからと「人」の話に寄せすぎず、事業の中身と実績をきちんと語る必要がある。
  • 「求める人物像」は選考対策フェーズで効く——ES作成・面接前に半数超が見る。
    ここが曖昧だと、志望動機が書けず、応募の質が下がる。
  • 「待遇・福利厚生」は意思決定の最終局面で決定打になる——内定承諾の判断で突出。
    ここを載せない・古いままにすることは、最後の一歩で候補者を失うことを意味する。

採用サイトに載せるべき中核コンテンツ

上記を踏まえ、採用サイトに載せるべき中核コンテンツを整理します。

募集要項 職種・仕事内容・応募資格・勤務地・給与・選考プロセス。
最低限にして最重要。
年次で更新できる設計にしておく。
採用コンセプト/求める人物像 どんな人と働きたいのかを言語化。
選考対策フェーズで半数超が閲覧する重要コンテンツ。
事業内容・実績 全フェーズで最もよく見られる。
何をしている会社で、どんな成果を上げているのか。
将来性や社会における役割まで語れると強い。
企業理念・トップメッセージ 価値観の一致を判断する材料。
経営者の言葉で「求める人物像」を語る。
社員インタビュー 働き方・考え方・職場の雰囲気を伝える。
等身大であることが信頼を生む。
仕事紹介/日常の業務 部門別・職種別の仕事内容。
インターン参加後の企業研究フェーズで効く。
待遇・福利厚生・働き方 内定承諾の決定打。
制度の羅列でなく、実際の使われ方まで書く。
人事制度・教育/キャリアパス 入社後の成長イメージ。
選考フロー 選考の流れと各段階の内容。
不安の解消に直結する。
よくある質問(FAQ) 応募前の不安を先回りして解消する。

※上記の優先順位は、企業の採用課題(認知不足/動機形成不足/辞退率)により変わります。
自社の課題に応じた重み付けは、採用サイト制作の総合ページで示す「失敗しない5原則」もあわせてご覧ください。

「載せたい情報」ではなく「求職者が知りたい情報」から選ぶ

コンテンツ設計でありがちな失敗は、社内で用意しやすい情報から埋めてしまうことです。
選定の判断軸は常に、STEP2で定めたターゲットが、どのフェーズで、何を知りたいか
この軸に照らして、載せる・載せない・どこに置くを決めます。

第2章|構成・情報設計の型

基本の構成

トップページで企業の魅力と全体像を端的に伝え、詳細は下層ページで補足します。
目安となる構成は次のとおりです。

  • トップページ:キャッチコピー/採用コンセプト/各コンテンツへの導線/募集職種/エントリーボタン
  • 私たちについて:事業内容・実績/企業理念・トップメッセージ/数字で見る会社
  • 人と仕事:社員インタビュー/仕事紹介・日常の業務/部門紹介
  • 働く環境:待遇・福利厚生/制度/キャリアパス
  • 採用情報:募集要項/選考フロー/FAQ/エントリー

いつでも必要な情報にたどり着ける導線にする

前掲のキャリタス調査では、採用ホームページの閲覧は3年生の5月頃から増え始め6月には半数(50.3%)に達し、ピークは12月から採用広報解禁の3月で7割前後に上ります。
つまり採用サイトは、短期のキャンペーンページではなく、長期にわたり繰り返し訪問される情報基盤です。
したがって、「今どのフェーズの求職者が来ても、必要な情報に迷わず到達できる」導線が求められます。
グローバルナビゲーションで主要コンテンツを常時提示し、募集要項とエントリーへは常にアクセスできる状態にしておきます。

スマートフォンを前提に設計する

求職者の多くはスマートフォンで閲覧します。
文字量、画像の見え方、フォームの入力しやすさをスマホ基準で設計します。

第3章|求職者視点で失敗しないポイント

情報が古いままは、志望度を直接下げる

同じキャリタス調査では、採用ホームページの情報やデザインが古いと、関心や志望度が「下がる」と答えた学生が計87.8%(「とても影響する」26.7%+「やや影響する」61.1%)に達しています。
募集要項が昨年のまま、社員インタビューが数年前のまま——これは機会損失に直結します。
年次で更新できる設計と運用体制を、制作段階で決めておくことが重要です。

良い面だけを並べない

等身大の情報開示が、入社後のギャップとミスマッチを減らします。
仕事の厳しさや求められる姿勢も含めて誠実に伝えることが、結果として定着につながります。

一次情報でしか差がつかない

事業内容も理念も、一般的な言葉で書けばどの会社も似通います。
差がつくのは、その企業でしか語れない一次情報——実際の社員の言葉、具体的なプロジェクト、現場の写真です。
取材と撮影に手を掛けるほど、採用サイトは強くなります。

作って終わりにしない

公開後、応募数・閲覧されたページ・離脱箇所を確認し、改善します。
採用サイトは資産として育てるものです。

終章|採用サイトは「フェーズ設計×鮮度の維持」(まとめ)

採用サイトの作り方は、①目的定義 ②ターゲット設定 ③コンテンツ選定 ④構成・情報設計 ⑤運用設計、の5ステップで進めます。
鍵は、求職者の検討フェーズによって見る情報が変わるという事実を踏まえ、フェーズごとに必要な情報へ到達できる設計にすること。
そして、情報の鮮度を保つ運用まで含めて設計することです。
コンテンツの選び方は分かっても、「自社の場合どう優先順位をつけるか」「どこまで作り込むべきか」は、採用課題によって変わります。
採用サイト制作の全体像——費用の考え方、デザイン、AI時代の情報設計、制作会社の選び方——は総合ページで解説しています。

よくある質問

Q1

社員インタビューは何人くらい載せるべきですか?

A1

人数の正解はありませんが、職種と年次に幅を持たせることが重要です。
調査では、好印象を得た採用サイトの共通点として「先輩社員の紹介が豊富(職種別、年次が多様など)」が挙げられています。
求職者が「自分に近い人」を見つけられる構成を目指してください。
まずは主要職種を網羅し、年次を分散させるところから始めるのが現実的です。

Q2

掲載する原稿は自社で用意する必要がありますか?

A2

自社で用意することも可能ですが、社員インタビューなどは取材のプロが引き出したほうが内容が深くなる傾向があります。
自社で用意すれば費用は抑えられる一方、工数と品質のリスクは自社が負うことになります。
どこまでを自社で担うかは、体制と予算に応じて切り分けるのが現実的です。

Q3

募集要項は毎年更新が必要ですか?

A3

採用は年次で動くため、募集要項は毎年更新することが前提になります。
初任給や勤務地、選考フローは年度ごとに変わりますし、前年度の内容が残っていると求職者に誤った情報を伝えることになります。
更新できない設計にすると、翌年から情報が古いサイトになります。
調査では、情報やデザインが古いと関心・志望度が「下がる」と答えた学生が計87.8%にのぼりました。
制作段階で「誰が」「どの範囲を」「どうやって」更新するのかまで決めておくことが、公開後の運用を止めないための要点です。

Q4

中途採用と新卒採用で、載せるべきコンテンツは変わりますか?

A4

変わります。
新卒は企業理念・仕事のイメージ・成長環境への関心が高く、中途は具体的な業務内容・待遇・組織体制への関心が高い傾向があります。
ただし「事業内容・実績」はどちらにも共通して重要です。
両方を狙う場合は、入口を分けて情報を出し分ける構成が有効です。

Q5

コンテンツが少ない状態で公開してもよいですか?

A5

公開してから育てる進め方は現実的です。
ただし募集要項・求める人物像・事業内容は最低限そろえてください。
これらが欠けると応募判断ができません。
社員インタビューなどは、公開後に順次追加していく設計(CMS前提)にしておくとスムーズです。

Q6

コーポレートサイトに採用ページを作るのとは何が違いますか?

A6

掲載できる情報量と、表現の自由度が違います。
コーポレートサイト内の採用ページは、企業全体のデザインルールに合わせる必要があるうえ、掲載できる分量にも制約があるため、募集要項の掲載が中心になりがちです。
一方の採用サイトは求職者だけに向けた独立サイトとして、求める人物像、社員インタビュー、仕事紹介、選考プロセスまで踏み込んで伝えられます。
まず採用ページで最低限の情報を整え、採用強化のタイミングで採用サイトへ移行するという段階的な進め方も現実的です。
詳しくは採用サイト制作の総合ページで解説しています。

 

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