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公開日:2021.10.19

企業ホームページリニューアル【Web制作会社の選び方と見極め方】

ホームページリニューアルの成否を決める、Web制作会社の選び方と評価ポイントの解説

リニューアルの成否は、委託するWeb制作会社をどう見極めるかで大きく変わります。
本記事では、制作会社の5つのタイプと得意領域、候補の集め方、技術・クリエイティブ・SEO・進行管理の評価ポイント、コンペと契約の進め方までを解説します。
発注前に決める7つの基準の全体像は、総合ページ「ホームページリニューアル」をご覧ください。

この記事のポイント

Web制作会社は、制作専門系、システム系、マーケティング系、統合系、コンサルティング系の5つに分かれ、得意領域が異なります。
自社の課題がデザインなのか、システムなのか、集客なのかで、選ぶべきタイプは変わります。
候補の集め方には現行取引先、紹介、検索、受賞歴・掲載、広告の5経路があり、それぞれ偏りがあります。
候補は、技術、クリエイティブ、SEO・マーケティング、納期・見積・進行管理、公開作業と保守の5つの観点で評価し、最終的にはコンペとプレゼンの評価、契約条件で判断します。

第1章|Web制作会社は5つのタイプに分かれます

企業ホームページのリニューアルを成功させるには、まず委託先の体制と、会社としての性格をとらえておく必要があります。

前提として確認したいのは、法人として組織が整っていることです。
Webプロデューサー、企画プランナー、マークアップエンジニア、SE、コーダー、マーケター、デザイナー、コピーライター、フォトグラファーなど、リニューアルに精通した専任のスタッフが複数いる体制が理想です。
一部を外部に委託していても、これに準じる体制であれば候補に入れてかまいません。
一方で、個人事務所やフリーランスは避けたほうが無難です。
複数のパートナーで分担すると一貫した体制がとれず、作業が分断されたり、方針がそろわなかったりします。
最も困るのは、対応できる量が少なく、保守や問題が起きたときの対応が遅いこと、公開後に廃業して連絡が取れなくなることです。
こうした事態は、社内で責任問題になることさえあるため、注意が必要です。

そのうえで、Web制作会社は得意領域によって、次の5つのタイプに分かれます。

タイプ 得意領域 注意点
制作専門系 企画・設計からデザイン、コーディング、公開後の保守まで一元的に対応 数が多いため、候補の絞り込みに手間がかかる
システム系 大規模なCMS開発、ECサイトと基幹システムの連携など クリエイティブは得意でない傾向がある
マーケティング系 SEO、コンテンツマーケティング、Web広告、効果測定 UIデザインやコピーは期待しにくい傾向がある
統合系 制作からマーケティング、各種メディアとの連携まで統合的に対応 会社によって重点を置く領域が異なる
コンサルティング系 ECやリニューアル要件のマーケティング分析 制作部門を持たず、実装を外部に委託することが多い

01 制作専門系

最もオーソドックスで、一般に「Webプロダクション」と呼ばれる会社です。
コーポレートサイト、採用サイト、ブランディングサイト、LPまで幅広く対応し、サイトの企画・設計、クリエイティブ、コーディング、公開後の保守やサーバー管理まで一元的に支援できます。
レスポンシブ対応やCMSの開発も、多くの会社が標準的に対応しています。
Webをつくることには最も長けていますが、数が非常に多いため、初期の選考には根気が要ります。

02 システム系

マークアップエンジニアやSE(システムエンジニア)を中心とするWeb会社です。
サイトの目的に沿った要件定義やUIデザインは、外部のWeb会社と組んで対応することもあります。
発注企業の側に社内のクリエイターがいる場合は、相性がよいかもしれません。
大規模なCMSの独自開発、ECサイトと基幹データベースやCRMの連携など、システム開発を中心としたWeb制作を得意とする会社もあります。
ただし、クリエイティブはあまり得意でない傾向があります。

03 マーケティング系

Webマーケティングを出自とし、Web全般の制作やリニューアルに携わる会社です。
SEO、コンテンツマーケティング、Web広告を専門としながら、サイトのリニューアルを請け負うことが多くあります。
特にSEOで見込み客を集めることが目的の場合、調査・分析からMAの支援、効果測定をしながらのサイト改善を得意としています。
この領域も、UIデザインやコピーなどのクリエイティブは、あまり期待できない傾向があります。

04 統合系

一般に「Webインテグレーション系」と呼ばれ、Web制作からマーケティングの運用管理、各種メディアとの連携まで、統合的なサービスを提供します。
マルチプレーヤーとも言え、エージェントの要素を持つ会社もあります。
ホームページ制作専科を運営する弊社は、Web制作とクリエイティブに重点を置く、この領域の会社です。

05 コンサルティング系

Webコンサルティングを得意領域とし、特にECサイトやリニューアル要件のマーケティング分析に強みを発揮します。
海外ECのマーケティングまでカバーする会社もあります。
ただし、組織として制作部門を持たないことがあり、サイトの実装は外部の協力会社で対応することが多くあります。
実装まで社内で行ってほしい場合は、事前によく確認しておく必要があります。

第2章|候補会社の集め方と、集め方ごとの偏り

企業が取引先を選ぶ際に、複数の会社を比較することは、今では一般的になりました。
取引の適性を審査することで恣意的な選定がなくなり、コンプライアンスの面でも健全な取引につながるためです。

候補の絞り込み方は、次の順が目安です。
まずは、できるだけ多くの会社をリストアップします。
次に、問い合わせやメールでの聞き取りで10社程度に絞り込みます。
商談やコンペに呼ぶのは、3社程度、多くても5社程度にします。
10社ほどをコンペに呼ぶ例もありますが、発注者としての主体性が見えず、呼ばれた会社も士気が上がらないため、よい提案が出にくくなります。

候補の集め方には、次の5つの経路があり、それぞれに偏りがあります。

01 現行取引先

まず候補に挙がるのは、現在の取引先です。
ただし、現状に満足していない場合や、新たな要件が加わる場合は、候補から外すことも考えておきます。
変化の速いWeb業界では、既存の取引先であることの優位は約束されたものではありません。

02 紹介

社内のさまざまなつながりを通じて、各方面に声をかけておくことは大切です。
取引先のコーポレートサイトをリニューアルしたWeb会社を紹介してもらうのも、一つの方法です。

03 検索

ここでは、検索広告ではなく通常の検索結果から探す場合を扱います。
取引先を探す際にWeb検索を使うことは、今では多くの企業で当たり前になっています。
ただし、検索する言葉によっては、自社のリニューアルの要件に合わない会社ばかりが表示され、候補を呼んで話を聞いてもミスマッチが続くことになりかねません。
検索する言葉にも工夫が必要です。
参考までに、「ホームページリニューアル業者」「Webリニューアル制作」などで検索すると、第1章の「制作専門系」の会社が多く見つかります。

04 受賞歴・掲載

業界団体や新聞社が主催するアワードの受賞企業や、業界誌、Web年鑑、名簿などで紹介された会社を候補にする方法です。
Web年鑑などは、第1章のようにタイプ別に分類している場合もあり、自社の求めに合う会社が見つかることがあります。
ただし、受賞しているからといって先入観を持たず、候補はすべて同じ基準で評価します。

05 広告

GoogleやYahoo!の検索広告、SNS広告を出している会社から探す方法です。
検索広告は、検索した言葉に応じて表示されるため、通常の検索に次ぐ効果が期待できます。
ただし、広告は会社自身のアピールです。
実際にサイトを見て、適性があるかどうかをしっかり確認します。

第3章|テクニカル要件で見極める

ここでは、マルチデバイス対応、セキュリティ、サーバーとドメインの管理、マークアップ、CMSの導入について、評価のポイントを解説します。

01 レスポンシブ

PC、スマートフォン、タブレットなど、どの端末でも最適に閲覧できるレスポンシブデザインは、今では当たり前の要件です。
Googleはスマートフォンを基準にサイトを評価する方針を示しており、Web制作とリニューアルは、まずスマートフォンを前提につくることが求められています。

02 セキュリティ

Googleが重視する要件に、サイトの安全性があります。
特にSSL(URLが「https://」で始まる状態)は必須です。
SSLに対応していないサイトは、検索でも不利になります。
リニューアルを請け負う会社として、SSLを標準で導入しない選択はありえません。

03 サーバー選定と管理

リニューアルしたサイトを置くWebサーバーの性能は重要です。
最近のレンタルサーバーは、大容量、高速、適正な価格が主流になっています。
要件に合ったサーバーを提案できるか、WordPressやMovable TypeなどのCMSのアップデートやプラグインの要件まで事前に確認できるかを見極めます。
制作会社の自社サーバーを勧められることもありますが、大手のレンタルサーバーを選ぶほうがより安心です。
契約は発注企業、管理は制作会社という関係が一般的で、ドメインの管理もあわせて一括で対応することが原則です。

04 マークアップ

弊社では、W3Cに準拠したHTML5とCSS3を基本にしています。
これは業界の標準ですが、細部のコーディングには会社ごとにばらつきがあり、HTML5・CSS3やJavaScriptで実現できる動きや表現に対応できない会社もあります。
たとえば、スクロールに合わせて背景を変化させる視差効果(パララックス)や、アニメーションの表示です。
また、iPhoneやAndroidなどの機種やバージョンごとに最適な表示を実現できるかも、確認すべき大きな要素です。
発注者がこれらの専門的な要件をすべて見極めるのは難しいため、まずはオリエンテーションで確認する事項にしておきます。

05 CMSの実装力

弊社が携わるサイトリニューアルでは、8割以上でCMSの要望があります。
標準的には、最も普及していて汎用性と拡張性に優れたWordPressが使われます。
Movable Type(MT)も信頼性の高いCMSです。
いずれもアップデートを重ねてセキュリティを高めており、その導入と要件への最適化に長けていることは、リニューアルを任せる会社の必須条件です。
重要なのは、CMSを組み込んだあと、記事の投稿や情報の更新の方法を、しっかり説明してくれることです。
作りっぱなしで説明がないという不満も耳にするため、注意が必要です。
CMSの選び方と公開後の保守は、CMS選定と運用保守の専門記事で解説しています。

第4章|クリエイティブ力で見極める

サイト上で利用者との接点をつくるUI(ユーザーインターフェース)デザインをはじめ、コピー、ライティング、写真撮影などは、利用者を成果へ導くサイト内の体験(UX)にも大きく影響する要件です。
特にECやマーケティングの要件を重視する場合は、評価の対象に含めます。

01 UI・デザイン

Webのデザインは、単なるグラフィックデザインとは異なります。
アートの感性やブランドイメージが根底にあることはもちろんですが、Webデザインにはサイトの目的を果たすための導線設計(UX)という大きな役割があり、デザインによる体験や好感はブランドイメージを決定づけます。
ありがちなデザインではなく、企業や製品・サービスの本質を表現できるかを見極めます。
あわせて、次の点を事前に確認しておくとよいでしょう。

  • デザイン案を複数の案から選べるか
  • 複数案の場合、同じコンセプトで異なる案を示してくれるか
  • デザイン案の品質はワイヤーフレームの段階か、本番に近い段階まで作り込まれているか

02 コピーライティングと取材

文章の力は、媒体を問わず、利用者の意思決定の最終的な要因になります。
サイトのコピーや本文の品質は、そのサイトの価値を表すものであり、弊社はWebのコピーライティングを最も重要な作業の一つとしています。
事実を並べるだけでなく、その本質や背景を引き出すための取材とヒアリングが欠かせません。
リニューアルの際には、コピーライティングと取材の大切さを、最重要の評価項目に加えてください。

03 ブランディングとCIの理解

誤解を恐れずに言えば、Web業界ではブランディングやCIの考え方が希薄です。
Web制作会社は、標準に沿ったコーディング、更新を実現するCMSの開発、マルチデバイス対応、UIデザイン、UX設計といった作業に集中しがちで、それ自体はやむを得ないことです。
その反面、ブランディングやCIへの理解が浅く、ほとんど触れない会社もあります。
この要件は、ぜひ選定の評価項目に含めてください。

04 撮影・映像

広告系や総合メディア系のWeb会社は写真撮影を得意とすることが多い一方、Web専業の会社ではその感性が高くないこともあります。
プロのフォトグラファーが撮影すればすべて解決する、というものではありません。
案件によっては、モデルの手配やオーディション、スタイリスト、撮影助手、スタジオの手配、事前のロケーションハンティング、アートディレクターによる撮影ディレクション、撮影後の画像の選定、レタッチ、トリミングまでが必要です。
撮影のノウハウは、事前にしっかり確認しておきます。

動画をサイトで展開する機会も大きく広がっています。
特に採用活動では、採用動画やWebセミナーが、感情に訴える力と短時間で伝える力で、求職者へのアピールに大きな効果を発揮します。
企業動画、製品動画、サービス動画まで、企画、シナリオ、撮影、ナレーション収録、編集・音響効果までをプロデュースできる総合力が求められます。
リニューアルと動画を一括で依頼したい場合は、動画が外部への丸投げでないことを、候補の会社によく確認しておきます。

05 各種メディアを統合する力

企業ホームページのリニューアルにあわせて会社案内も刷新したい、採用サイトのリニューアルとあわせて採用動画をつくりたい、という依頼が増えています。
この要件は必須ではありませんが、一般的なWeb制作会社はこうした統合制作があまり得意でなく、特に紙の印刷物はほぼ外部に委託しているのが実態です。
Webと他のメディアを一括でつくりたい場合は、統合制作と社内での制作がどこまで可能かを、事前に確認しておきます。
参考までに、リニューアルの際に弊社がよく承るメディアを挙げます。

  • 印刷・広報メディア:会社案内、製品パンフレット、カタログ、社内報、機関誌、ポスター
  • デジタルドキュメント:ホワイトペーパー、プレゼン資料、セールススクリプト
  • 動画・映像:企業動画、採用動画、Webセミナー動画、プロモーション映像
  • ブランディング:企業ブランド開発、CI計画、ロゴ制作
  • 広告制作:新聞・雑誌広告、業界誌広告、OOH・交通広告

企業ホームページリニューアルとあわせて、印刷・動画など各種メディアを統合制作しています。

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第5章|SEO・マーケティングの対応力で見極める

SEOやマーケティング施策までリニューアルを請け負う会社に求めない場合、またはSEOは専門会社に依頼する場合は、この章は読み飛ばしてかまいません。
リニューアルとSEOを一括で依頼したい場合は、必ず確認してください。
一括で依頼することには、大きな利点があります。

01 SEO・コンテンツSEO

リニューアルを機に、SEOで新規顧客を開拓したい、コンテンツマーケティングで見込み客を集めたいという要望は増えています。
最近はSEO単独というより、テーマを絞った記事で検索からの流入を集め、見込み客を育て、BtoBなら営業担当の商談へ、BtoCなら成約へとつなげる形が主流です。
サイト制作とSEOを一体で請け負う会社は、競合調査とキーワード分析をサイトの設計に組み込むため、SEOの効果をより高められます。
一括で依頼する場合は、SEOの根拠や実績を事前に評価し、自社の計画に沿って提案してもらいます。

コンテンツマーケティングまで提案できる会社は、多くありません。
SEOから、オンライン・オフラインの広告を含めた見込み客の獲得、MAの導入支援、見込み客を育てるためのホワイトペーパー、商談用の会社案内やカタログ、動画など、各種メディアの制作まで対応が求められるためです。
これは第1章の「統合系」の会社にあたります。
Web制作会社とマーケティング会社を分けて依頼する場合は、両者の連携をしっかり取り持たないと、効果が半減するため注意が必要です。

SEOで効果が出ない、導入に不安がある場合は、調査・分析から始められます。

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02 UX設計

見込み客の獲得を実現するサイト内の導線設計(UX設計)は、利用者を分類するペルソナの定義と、そのペルソナを成果へ導く道筋を描くカスタマージャーニーの分析に基づいて行います。
本格的なECサイトなどでは、リニューアルを請け負う会社に単独で任せるより、UX設計を専門とするマーケティング会社で定義した要件を、リニューアルに反映させるほうが現実的です。

03 計測環境の整備

マーケティングの要件の有無にかかわらず、Googleアナリティクス(GA)とSearch Console(SC)の組み込みは必須にします。
すでに導入している場合も、最新のタグを入れ直すことを要件に含めます。
マーケティングの要件まで一括で依頼する場合は、GAとSCの画面の見方と活用方法の説明を受けることも、評価の項目に含めます。

第6章|納期・見積・進行管理で見極める

01 標準的な制作期間

ホームページリニューアルにかかる制作期間の目安は、弊社の制作費ガイドラインでは次のとおりです。

ページ数 制作期間
10ページ〜 2ヶ月〜2.5ヶ月
20ページ〜 3ヶ月〜3.5ヶ月
30ページ〜 4ヶ月〜5ヶ月
50ページ〜 6ヶ月〜

撮影・取材の日数、CMSの仕様、既存サイトからのURL移行などによって前後します。

意外に思われるかもしれませんが、サイト一つをつくるには、これだけの時間がかかります。
この期間をとれない案件は、制作会社に大きな無理を強いることになり、結果として発注者が満足できない仕上がりになったり、思わぬ落とし穴が待っていたりします。
弊社は、この期間をいただけない案件は原則としてお断りしています。

02 短納期・長納期のリスク

希望の納期を伝えたときに、上の表より大幅に短い納期を示してきた場合は注意が必要です。
デザインのテンプレートを使う、原稿や写真はすべて支給、要件を固めるためのヒアリングや企画設計を簡素化する、あるいはほとんど行わない、といった進め方である可能性があります。
簡易的なものでよく、費用を抑えたい場合は選択肢になりますが、そうでなければ避けるべきです。
逆に、標準より1〜2ヶ月以上長い場合も問題があります。
社内の制作体制に余裕がない、外部の協力会社を手配できない、といった事情が考えられます。
理由を説明しないまま長い納期を示してくる場合は、注意が必要です。

03 見積の差と、価格帯の見方

リニューアルの見積を複数の会社から取ると、大きな差が出ることがあります。
Web制作には決まった価格がなく、載せるコンテンツや素材が案件ごとに違い、作業の工数と単価も会社によって異なるためです。

参考までに、標準的な企業ホームページ(30ページ相当・CMS数点)を想定した価格帯の目安を示します。
あくまでも弊社の主観による目安です。

価格帯 制作費
低価格帯 100万円未満
低中価格帯 100万円〜250万円程度
中価格帯 250万円〜400万円未満
中高価格帯 400万円〜600万円未満
高価格帯 600万円以上

たとえばコンペに参加した5社が、それぞれ別の価格帯の会社だった場合、見積の金額は大きく異なる結果になります。
どの水準の企業ホームページを目指すのかを決め、その価格帯の会社に当たるのがよいでしょう。
中高価格帯、高価格帯の会社は、理由なく高いわけではなく、それぞれに差別性や特徴を持っています。
その点は、選定の際に確認しておきます。
なお、弊社の制作費は30ページ〜で450万円からで、この表の中高価格帯にあたります。

もう一つ注意したいのが、当初の見積は手頃だったのに、進めるうちに追加が重なり、最終的に想定以上の金額になっていた、というケースです。
見積の金額に含まれる作業と、含まれないオプションの作業を、はっきりさせておきます。
見積書の内訳の読み方は、費用の専門記事で解説しています。

04 ヒアリングと企画設計

ヒアリングの重要性を強く認識している会社を選ぶべきです。
リニューアルの理由は、サイトが古くなったことだけではないはずです。
BtoB取引の強化、見込み客の獲得、採用の母集団形成、海外取引の拡大、株主や投資家への情報発信の強化、組織の再編など、目的はさまざまです。
その目的と課題に合わせてサイトの構成とコンテンツを最適化するには、何らかの調査分析が必要です。
SEOやコンテンツマーケティングの要素があれば、市場分析や競合分析も欠かせません。
弊社では、簡易的なレベルですが、標準で3C分析の要素を反映させています。

調査を踏まえて制作会社がまとめた企画は、しっかりプレゼンテーションしてもらいます。
これは、会社を決める前のコンペのプレゼンテーションとは別のものです。
コンペの提案は、詳しいヒアリングや分析の前につくられたものだからです。
「コンペのときの情報で企画をまとめたので、大きく外れていない」という返答には注意が必要です。

05 デザインとCMSのレビュー

ヒアリングと取材を経て、UIデザインをレビューする段階では、デザインへのこだわりが非常に重要です。
閲覧する利用者は、デザインの品質を、その企業を信頼できるかどうかの目安にしているからです。
ただし、それは第一印象です。
次に、読んで理解し共感できるか、つまりコピーの品質が問われ、撮影写真の品質も問われます。
さらに、サイト内で情報の流れを管理できているか、つまり導線設計を確かめるために、少なくとも主要なページは、リンクをたどれるモックアップで確認させてもらいます。

CMSの開発も、完成してから一方的に引き渡すのではなく、開発の途中でテスト環境でレビューしながら、要件に合っているか、使いやすいか、足りないものはないかを確かめるべきです。
出来上がってから直しを指示すると、双方の負担が大きく、妥協の産物になりがちです。

06 進行管理の見える化

デザインを量産し、コーディングを進める工程は、発注企業からはなかなか見えません。
ほとんど出来上がってから、想定と違う見た目や操作性に気づくことも珍しくありません。
進捗の状況を共有するアプリやクラウドの管理ツールなどで、常に進行を確認できる仕組みを持っているかを、事前に確認しておきます。

スマートフォンの機種ごとの表示の最適化も、レビューで特に重要な項目です。
中途半端な対応は利用者の不満を招くだけでなく、検索でも不利になります。
自社のサイトはスマートフォンの利用者向けではない、という場合でも関係ありません。
iPhoneやAndroidなど、機種とバージョンごとに最適に表示できることが求められます。

第7章|公開作業と公開後の保守体制で見極める

01 本番移行とブラウザ確認

制作とコーディングが完了したら、テスト環境から本番環境へ移って公開作業を行います。
この時点で、文字の校正、動作の確認、リンクの確認など、要求どおりに動くかを隅々まで確かめます。
制作会社が主導しますが、発注者の責任として任せきりにせず、社内やプロジェクトチームでも手分けして確認します。
高い制作費を払って委託している以上、制作会社には、誤りのない状態で公開を迎える緊張感と誇りを求めます。
その旨は、制作会社にきちんと伝えます。

ブラウザの確認も念入りに行います。
社内の標準のブラウザで表示できればよい、というわけではありません。
Chrome、Safari、Edge、Firefoxの最新版、あるいはその一つ前の版への対応は必須です。
そのうえで、アクセス解析のデータから利用者のブラウザを調べ、確認の対象を決めます。
表示の崩れや動作の不具合があると、特に見込み客の獲得やECを進めている場合は、大きな機会の損失になります。

02 瑕疵担保の範囲

見落としや確認漏れといった人為的なミスは、どうしても起こります。
公開後1ヶ月〜2ヶ月の瑕疵担保の条件を、契約の際にきちんと決めておきます。
サーバーの性能や想定外の事象で、テスト環境では正常に動いたCMSやフォームが、本番環境でエラーを起こすことも珍しくありません。

03 保守・管理体制

公開後の保守・管理の費用は、サイトの規模や保守の範囲によって異なり、年間12万円程度から120万円程度までの幅があります。
弊社のメンテナンス契約は、1年契約で月額10,000円からです。
保守・管理の契約は、必ず契約書を取り交わします。
あわせて、依頼してから作業に着手するまでの時間の原則を決めておきます。
軽微な文字や画像の差し替えでも、対応の遅さが不満の原因になっている話をよく耳にします。
大きな仕事は速いが、細かな対応は遅い、という会社は避けるべきです。
保守に何を含めるかの決め方は、CMS選定と運用保守の専門記事で解説しています。

第8章|コンペとプレゼンの評価、契約

いよいよ、委託する会社を決める段階です。
次の手順で進めます。

STEP-01 候補を選ぶ

第1章と第2章を参考に、候補の会社を探します。
まずはできるだけ多くの会社をリストアップし、プロジェクトチームのメンバーで手分けするとよいでしょう。
次にメールや電話で問い合わせて10社程度に絞り込み、商談やコンペに呼ぶのは3社程度、多くても5社程度にします。
ここまでの調査と候補選びを綿密に行うことが、リニューアルを成功させる条件です。

STEP-02 決め方を決める

オリエンテーションの前に、最終的に会社を決める方法を決めておきます。
主な方法は、提案コンペ、価格コンペ、1社への指名の3つです。

  • 提案コンペ:複数の会社が要件に基づいてプレゼンテーションを行い、最も適した提案をした会社に決めます。価格も考慮しますが、提案力が勝負です。
  • 価格コンペ:見積書と簡易な提案書の提出で決めます。最安値と最高値を除き、金額と提案内容のバランスで決める方法もあります。
  • 1社への指名:さまざまな要件を事前に評価して1社に絞り、深く検討します。合わなければ次の1社に移ります。リスクもありますが、深く調べて熱心に選ぶ発注者の姿勢に、制作会社は気が引き締まり、期待に強く応えようとします。

STEP-03 オリエンとRFPを配る

候補が決まったら、オリエンテーションの日程を決め、各社に趣旨と日時を伝えます。
官公庁の競争入札ではないので、オリエンテーションは会社ごとに個別に行うのがよいでしょう。
個別に行うと、各社の個性や特徴がわかり、各社も他社を気にせず質問できるため、互いに深く掘り下げられ、一次評価ができます。

RFP(提案依頼書)は、オリエンテーションの場で渡し、読み上げながら要件を伝えます。
要件によっては制作会社が受けられないこともあるため、心配であれば事前に配布する方法もあります。
ただし、事前に配ると、制作会社が自社の都合で回答を固めてくるため、発注者のWebの知識によっては押し切られてしまうおそれがあります。
その点に注意すれば、事前配布は双方にとって効率的です。
RFPに何を書くかは、要件定義とRFPの専門記事で解説しています。

STEP-04 プレゼンを評価する

プレゼンテーションには、プロジェクトチームの全員で参加するのがよいでしょう。
自社の要件に合った提案であることに加えて、相性のよさ、自社の社風や考え方への理解があり、価値観を共有できるかどうかが、とても大切です。
企業ホームページや採用サイト、ブランドサイトは、企業の広報を担う公式の媒体です。
Webをつくる技術だけで選ぶのではなく、伝えるべきことに深くこだわり、企業の公式な語り手となるサイトづくりのプロであるかを、選定の基準にします。

STEP-05 業務委託契約とNDAを締結する

委託する会社が決まったら、社内の稟議を経て、業務委託契約と秘密保持契約(NDA)を締結します。
原則として、契約書は発注者の書式で締結します。
制作会社の書式を使う場合は、制作会社に用意を依頼します。
Web業界では、契約書を積極的に取り交わす会社は多くないのが実情です。
契約は、発注企業の側から進めるべきです。
また、社内の法務部門で契約内容を一つずつ精査していると、制作に着手できない期間が生じることがあります。
社内で問題がない限り、制作に着手し、契約内容の確認を並行して進めるのが現実的です。

終章|まとめ 見極めは属性から始めます

企業ホームページのリニューアルを成功させる会社選びは、まず相手の属性を見極めることから始まります。
5つのタイプのどれにあたるのかを知ったうえで、技術、クリエイティブ、SEO・マーケティング、納期・見積・進行管理、公開作業と保守の観点で評価し、コンペとプレゼン、契約で最終的に判断します。
この記事では、会社を決めて契約を結ぶところまでを扱いました。
ただし、制作の進行管理まで見据えて事前に評価し、選び抜くという姿勢で解説しています。
会社を決めたあとも、二人三脚でリニューアルを成功に導いてください。

制作会社の見極めは、ホームページリニューアルを発注する前に決める7つの基準のひとつです。
要件定義、見積の内訳、CMSと保守、検索評価を守る移行を含めた全体像は、総合ページで確認できます。

よくある質問

Q1

リニューアルを依頼する制作会社は、何社くらいから選べばよいですか?

A1

まずはできるだけ多くの会社をリストアップし、問い合わせで10社程度に絞り込みます。
商談やコンペに呼ぶのは3社程度、多くても5社程度が目安です。
多くの会社をコンペに呼ぶと、各社の士気が上がらず、よい提案が出にくくなります。

Q2

フリーランスや個人事務所に依頼してもよいですか?

A2

企業ホームページのリニューアルでは、避けたほうが無難です。
一貫した体制がとれず作業が分断されやすいことに加え、保守や問題が起きたときの対応が遅くなったり、連絡が取れなくなったりするおそれがあるためです。
法人として、専任のスタッフが複数いる体制の会社を選ぶと安心です。

Q3

今の制作会社に、そのままリニューアルを依頼してもよいですか?

A3

候補の一つとして検討できます。
ただし、今のサイトに不満がある場合や、新しい要件が加わる場合は、候補から外すことも考えておきます。
既存の取引先であっても、ほかの候補と同じ基準で評価します。

Q4

見積の金額が会社によって大きく違うのはなぜですか?

A4

Web制作には決まった価格がなく、コンテンツや素材が案件ごとに違い、作業の工数と単価も会社によって異なるためです。
会社ごとに得意とする価格帯もあります。
見積に含まれる作業と含まれない作業をはっきりさせ、内訳で比べます。

Q5

制作会社との契約で、確認しておくことは何ですか?

A5

業務委託契約と秘密保持契約(NDA)の締結、公開後1ヶ月〜2ヶ月の瑕疵担保の条件、保守・管理の範囲と依頼から着手までの時間を確認します。
契約書は、原則として発注者の書式で、発注企業の側から進めます。

 

制作会社の見極めは、ホームページリニューアルを発注する前に決める7つの基準のひとつです。
全体像は、総合ページで確認できます。

会社選びの前に社内で決めることと、各社に渡す資料もあわせて確認できます。


コーポレートサイト制作の全体像、掲載項目、制作の進め方、制作実績は、コーポレートサイト制作のページでご覧いただけます。

企業ホームページのリニューアルが決まったら、まずはご相談ください。
訪問依頼、見積依頼、コンペ参加依頼もお気軽にどうぞ。

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