ホームページリニューアルのススメ - 02|機会別のリニューアル制作要件

1. BtoB法人営業

ここでは、前ページ(01|リニューアルする機会)「機会や期待効果が明確なリニューアル」の1,2,3,5のケースで多く求められるミッションの「BtoB・法人営業」に触れます。
これまで現状のホームページでは、BtoBの機会促進や法人営業には活かすことはなかった、またその役目を期待していたが、なかなか問合せや見積の機会は得られなかったなど、過去には事業やビジネスに貢献できる状況ではなかった。
このような中で事業拡大・新事業参入・新チャネル構築・新製品投入、また海外進出・グローバル展開など、企業間取引の新たな機会創出を求められる場合、ホームページを何とかその戦力にできないか?というご相談をよく承ります。
やはり既存チャネル・既存顧客だけでなく、新規ユーザーへのリーチ~顧客獲得を目指すことに、ホームページをその戦術の中核に据えることは、もはや何の異論も無いと言えます。
ところが過去にはホームページにそれらの役割を求めていなかった、或いは実現できなかった状況ですので、「すわWebで」とは言っても一朝一夕には優れた戦力という訳にはいかないようです。
この場合、やはり仕切り直しで、ホームページをリセットすることが大きな選択肢の一つになるでしょう。
その際リニューアルする戦略立てを丁寧に行う必要があります。
特にいつのタイミングから機能させたいのか、どのような役割を期待するのか、どのような新規ユーザーに、どれくらいの問合せ・反響を求めるのか…定性・定量で緻密な企画・プランニングが必要で、コンテンツ・マーケティングの概念を、企画段階から深く掘り下げ、Webコンテンツづくりに反映させます。
リニューアルだけでなく、リリース後からが実戦本番の始まりで、運用・管理面での戦略・戦術、PDCAのチェック・アクションに基づくサイトチューニング、効果検証…に合わせ、MA(マーケティング・オートメーション)の仕組み導入も十分検討を重ねたいものです。

東亜利根ボーリング株式会社様の企業フィシャルサイト

2016年の全面リニューアルで海外BtoB取引の機会促進につながった、東亜利根ボーリング株式会社様の企業フィシャルサイト。英語版・中国語版の充実で、リニューアル後10倍以上の問合せにつながっている。

2. CI刷新やリブランディング

これには詳しい説明は不要と思いますが、例えば世代交代や事業の再構築でCI(コーポレート・アイデンティティ)を大きく変革しロゴマークなどを作り替える、またコーポレートブランドやプロダクトブランドを全面或いは一部刷新するリブランディング、いずれもこれらと親和性の高い企業ホームページはリニューアルをする機会でしょう。
特に後者のリブランディングは、製品やサービスで直接・間接にステークホルダーとのコンタクトポイントが発生しますので、そのブランドのイメージチェンジはホームページでの広報・周知・露出は必須となります。
もちろんCIは頻繁に変革するものではないため、これまでCIを明確に定義していなかった企業のCI確立というのも、ホームページリニューアルの大きな動機となります。

3. 事業承継・経営陣刷新

未上場企業、一般中小企業、また上場企業でもオーナー企業の場合、同族内での事業承継・世代交代を伴いますが、企業にとってこの大きなイベントは、ホームページリニューアルの機会です。
創業者や先代から二代目・三代目・・・新世代への世代交代が行われますが、むしろこの機会を次世代の成長戦略に活かさない手はなく、言わずもがな企業ホームページを刷新して、何らかのビジネスアクションを起こすツールとして活かします。

  • 前述のBtoB・法人営業を目的としたサイトチューニング
  • 新社長の新事業戦略を発信する広報ツール
  • 旧体制・旧ビジネス方式から新ビジョンに転換させるリブランディング

等がホームページの新コンテンツになることとなります。

4. 採用戦略強化

超採用難の時代を反映して、採用サイトを一新することは、採用戦略の強化につなげることにも大きく貢献します。
学生向けに…、

  • 咀嚼した企業アイデンティティ・将来へ向けた夢とビジョンを語る情報、
  • 創業理念・製品開発の背景、企業ヒストリー・事業領域、社会貢献性、
  • 社長・人事部長の学生目線の熱いメッセージ、
  • 事業の強み・差別性・市場での優位性・プレゼンス・・・

これら企業ホームページのコンテンツと被ってしまうとお思いでしょうが、さにあらずです。
やはり学生・就活生にアレンジ・チューニングした、CI、コーポレートブランドに関する企業情報が大変重要です。
これらに、職場環境・組織部門紹介、先輩社員の声・座談会、社員の就業状況、人材開発制度・教育制度・・・等、前者にこの採用ホームページ固有の情報を加える構成とするのが、弊社ではより最適な採用ユースの情報構成と提唱しています。
実は採用ホームページの場合、後者の採用固有のコンテンツ中心の採用ホームぺージを多く見受けますが、実はこれらだけでは、就活生は本来の企業理解を伴いません。その結果、内定辞退や入社後早期退職、いわゆる昨今の悪しきワードですが、”ミスマッチ”と称した行動に出やすくなります。
これらの考え方が万能ではありませんが、僅かでもそのミスマッチを防止できる手立てを講ずるべきと、弊社では提唱します。
さらにこれに加え、

  • もっと学生とのインタラクティブ性やコミュニケーション力を強化できるコンテンツやサイト設計、
  • レスポンシブやCMS導入で情報発信力や更新性向上、
  • 採用ナビとの効果的クロスメディア連携等々、

機能面でも運用強化を図るリニューアルが最適でしょう。

5. IPO・新規株式上場

株式上場の大きな目的は、株式マーケットからの資金調達が主ですが、優秀な人材を獲得する、知名度・信頼性向上によりビジネスを有利に進める、等の狙いもあります。
その意味では企業情報を含めIR情報、製品・サービス情報、事業戦略、ビジネスモデル・・・どれをとっても未上場時代よりも、株主・投資家・金融・官公庁に向け、質量共に大きく改定せねばなりません。
これに上場後のメッセージ力・発言力・プレゼンスの転換によるリブランディングを実践することになれば、ホームページは全面的なリニューアルがマストな要因となります。

6. 旧式サイト・陳腐サイト

「デザインが古臭い」、
「競合他社が皆最新デザインに置き換わっている、見劣りしビジネスに不利」、
「現状ホームページの求める要件は特に無いが、作って10年以上なるので」、
「最新ブラウザで崩れてしまう」、
「取扱っていない商品が掲載、新商品が未掲載」
「過去にオールFlashで作ったため、表示されなくなった、セキュリティ的にも・・・」、
「スマホでは見づらい」、
その他諸々の情緒的、感覚的なリニューアルの動機は、前述の通り意外と多く、弊社へのご相談の中でも比較的多い方になります。
ただこの手のご相談をいただいても、デザインを今風にフラットデザインでカッコよく、コンテンツのライティングや表現力を高めることで終わってしまっては、一応コンテンツ・マーケティングを標榜している弊社としての名が廃ります。
実はそのユーザーのインサイトを探っていくと、そこに様々な明確な動機が潜んでいるものです。
そこでその一例を挙げてみます。

情緒的リニューアル動機 潜んでいるインサイト
デザインが古臭く、カッコ悪い
  • 新規取引先の審査に現状の古いサイトが対象になっており、ビジネス上デメリットになっていないか
  • 採用で内定辞退者が多い原因になっているのでは、という疑心暗鬼
  • 複数の競合が全て刷新しており、今後のビジネス上不利
  • 作った時代は企業として黎明期だったが、その後急成長を遂げ、サイトが現状の企業力やブランドイメージにそぐわなくなったため
永年放置状態だったため
  • 取扱い商品が増え、商品群の仕分けが実態と不一致になっている
  • 実は営業パーソンが取引先から、そろそろサイトを作り替えたら、と言われており、その実、サイトで商品情報を入手したい、という要望があった
リニューアルするが目的要件は不要
  • 経営層やWeb広報担当者は商用を求めてないが、営業部門へのヒアリング実施で、新規ユーザー拡張のサイト活用を強く求めていた
  • リブランディングを実施したが、社内で誰もホームページ刷新の声を上げていなかった、気が付かなかった
  • リニューアル要件が不明確だったが、担当者ヒアリングから次年度50周年を迎えることがわかった

信用与信情報提供を事業とする株式会社トーショー様のリニューアル事例です。左画像がリニューアル前、右がリニューアル後のデザイン・レイアウトイメージです。前はブラウザ左寄せのレイアウト配置で、懐かしさを感じます。

7. 情報更新性・レスポンシブ

リアルタイムな情報更新を行うことや、自社内で迅速な情報発信をするのに、Webのhtmlリテラシーのある担当者で更新作業をする方法と、ご存知の通り、ホームぺージにCMSを導入することにより、html知識が無くても、CMSの管理画面にて手軽に社内で更新作業を行う方法があります。
代表的なシステムがMTとワードプレスです。
ホームページ全域で導入せずとも、固定箇所と変動箇所に分け、What’s NewやTOPICS、製品情報等、変動箇所のみ部分導入することで、サイト管理上、コスト上において最適なリニューアル運営を行えます。

リニューアル後の株式会社ディバース様オフィシャルサイト。情報更新性を高めるCMSの導入、デザイン刷新によるブランドイメージ確立。

リニューアル前の同社様サイトTOP。この時点でも弊社が制作に携わるが、全面静的コンテンツ。一方デザイン性には隔世の感を持つ。

8. 企業の進化・客層の変化

前述「6.旧式サイト・陳腐サイト」でも言及の通り、「作った時代は企業として黎明期だったが、その後急成長を遂げ、サイトが現状の企業力やブランドイメージにそぐわなくなったため」といったリニューアル動機をしばしば見受けますが、実はそれに気付いていない企業、気付いていても体裁に無頓着な企業がいたりです。
このことは企業ブランディングにも直結し、企業としての矜持を保つもので、企業価値を棄損することにもなりかねません。
その中で自社のプレゼンスやポジショニングに気付いていない、必要性はわかっていても、その導入時期の判定が客観的にできないケースもあります。
特に急成長を遂げている企業、次々と新規事業への進出やM&Aを推進している、といった企業にホームページの対応が追いつかずその症状が起こりやすくなります。やはり第三者による客観的な評価を受けることをお勧めします。
本題に戻り、身の丈に応じたデザイン、コンテンツ、機能、役割のホームページでないことで最も危惧すべきは、その企業レベルとレッテルをはられてしまい、様々なビジネス上で、商取引上で選外・対象外になったり、審査から外されたり、信用が得られなかったりで、企業力に見合わないと見做されてしまい不本意な結果となり、ビジネスのチャンスロスを招いてしまうことです。
もちろん新規取引の場合、与信・信用情報、決算情報に加え、ビジネスモデルや商品力の評価が最も重要な指標であることは間違いありません。それに加え企業ホームページの存在が心理的・情緒的に作用し、最終の承認段階で背中を一押しする、ということになります。
少なくとも、「この企業、こんなホームページだが、大丈夫か?」などと上長から言われてしまう、ネガティブ要因だけは避けたいものです。