Webブランディング - 02|BtoBのWebブランディング

1. ブランディングの定義

前項「01|WebのCI展開/1. そもそもCIとは?ブランディングとは?」でも言及の通り、ブランディングは外向きの志向性で、マーケットやユーザーの直接的な支持や評価はさることながら、心理的・情緒的な好感度が醸成され、それが何らかのビジネスや取引につながる要因になることが重要です。
それだけにCIとは真逆と言っていいほどの概念であり、市場において競合との差別性や競争力が重要なファクターとなります。
もちろんそのブランディングは、CIや企業コンセプトに基づく、またはそのCI精神がルーツであることは言うまでもありません。そこが別々に一人歩きしては、全く本末転倒です。各論・諸説ありますが、弊社ではそのルーツは一致していることが大前提と捉えています。

2. BtoB要件のブランディング

BtoBの意思決定プロセス

前述からもブランディングの側面から言及すると、CIルーツの社交性を求めたものがブランディンであることから、さらに企業間取引というBtoB要件が加わってくると、よりビジネスライクなファクターが必要です。
「コンテンツ・マーケティング」でも語ってきた通り、個人の購買行動や意思決定プロセスと、法人企業のそれとは大きく異なります。
簡潔に言うと、個人は購買するかどうかの決定を、自己の責任の下で行えますが、法人企業はそうはいきません。会社の看板を背負っているからという単純なものでもありません。
理論的には言及しませんが、例えば法人企業で数千万円の工作機器を導入しようとした場合、社内の意思決定プロセスは、以下の通り多次元となり、非常に慎重に臨むこととなります。
その一部を紹介すると、

意思決定プロセスのフロー

A
新規で工作機械の導入が社内生産部門で起案され、Webサイト検索や、現状の取引業者から情報収集し、一方でラフに業者をリストアップも行っておく。
B
自社に適合した機器はどのような仕様のものかを選定し社内で決定する。
C
決定された仕様やスペックを持つ機器を販売するベンダー企業を、 A段階の業者リストアップから選定し複数社に絞り込む。
D
それを受け絞り込んだベンダー企業各社から提案・見積を受ける。
E
提案・見積提出が一通り完了したら、担当者やプロジェクトチームにより本命決定のため最終選考する。
F
社内稟申のフェーズに入ります。必要により役員・重役へのの社内プレゼンも経る。
G
社長・担当役員の決済印をもらい、ようやく契約業者が決定する。

商用Webはブランディングがミッション

このようにBtoBの商取引は、多頻度で執拗な検証・検討のプロセスを経ることがマスト要因ですが、ではなぜBtoBではブランディングが重要なのか、ここで明確にしておく必要があります。
ブランディングの定義を簡潔に触れておくと、そのプロダクトやサービスの強み・差別性・優位性を顕在・潜在で伝え、さらにモノ・コトの側面、いわゆる機能情報やスペック・諸元等ファクト中心の「モノ情報」に加え、プロダクトやサービスの開発コンセプト・開発者のメッセージ、導入・応用提案、導入事例・顧客インタビュー、コストパフォーマンス…等々、つまり「コト情報」です。
実はこの後者のコト情報が他社との差別性・優位性を明確にするファクターです。つまりブランディングたる所以と言えます。
機能・スペックは数値やデータが主で、モノありきの要素です。これは製造業や建設会社はじめ様々な一般企業でよく陥る症状で、製品力の高い企業で起こりやすい傾向があります。
上記業種のWebサイトをご覧になれば一目瞭然でしょう。

意思決定プロセスへの作用

上図フローチャート「BtoBの意思決定プロセス」のコンテンツ内の、A~Fで列記されている意思決定プロセスの中から、BtoBのWebサイトにおけるブランディングの必要性に言及します。

  • A~Cの検討段階ではこのBtoBブランディングが最も重要と言えます。同業他社の中でもブランディング要素を強く備えたWebサイトであれば、担当者の印象や感性に、好感・期待感・信頼性の側面で作用し、絞り込みの俎上に上がりやすくなるからです。
  • E段階では、プロジェクトチーム要員はWebサイトへ必ず再訪問がなされます。この後半のヤマ場では、要員はかなりディープにWebサイトで当該業者を審査します。さらに強い好感・期待感・信頼性を醸成することとなります。
  • F~Gの稟申過程です。最終決定をする社長・役員等の経営層は、導入機器のコストやスペック、導入効果の審査は精査しますが、業者のことはよく知りません。稟議書が上がってきた段階では、「どんな業者だ?」経営層と言えども必ずWebサイトを閲覧します。信頼・信用に足る業者なのか?社長はどんなメッセージを発信しているか?会社の歴史は?業界でのシェアは?取引先は?・・・。この会社情報にもきちんと専門性や品格を備えたブランディング要素を反映させたいものです。

3. BtoBブランディングの導入事例

01. 株式会社タカヤマ様 商用ブランディングサイト導入事例

企業情報

有機性廃棄物の中間処理から、資源化・リサイクルまでワンストップで環境サービスを提供する企業。創業60年を越え、成熟した企業としての貫禄を示し、積極的なCSR、社会活動、環境活動を推進する、埼玉県内の業界においては、まさにリーディングカンパニーとしてのポジショニングを確固たるものにしている。

株式会社タカヤマ様

複合的ブランディングサイト導入の経緯

まさに企業ブランディングの権化とも言える企業オフィシャルサイトの構築を皮切りに、この項目の主役のBtoB商用に特化したサテライトの「オデイ.JP」、エンターテイメントな「タカヤマン・サイト」と、企業総合ブランディングとして複合的なWebサイト戦略を展開することとなりました。
しかしながら「オデイ.JP」が商用の中核になると言えども、ウリウリの商魂逞しすぎるサイトでは、ブランディングも何もあったものではありません。
総花的なユーザーターゲティング、説明が通り一遍の業務内容、ファクト中心のコンテンツ等々よく陥るコンテンツのあり方。実は同社様の旧サイトでは、このようなファクトサイトそのものでした。
県内業界リーディングカンパニーのポジショニングや、中間処理までワンストップ受託ができる強みを発揮する大手企業との取引や一括取引の重要性から、やはりBtoB取引と言えども、企業ブランディングの重要性をサジェスト、上記サイトネットワーク構築に加え、CSRパンフレット作成、CI・ロゴデザイン制作まで、包括的・複合的ブランディングに取組むこととなりました。

ロゴデザイン

各サイトのコンセプト設計

●BtoB商用サイト「オデイ.JP」

まずBtoB商用サイトの「オデイ.JP」のミッションは前述の通り、一つは大手企業のピンポイント攻略。大手製造業の大規模工場や大規模商業施設・大型ビルマンション等の産廃処理業務の継続契約。もう一つは広域多頻度攻略。大手量販店やCVSチェーンの本部一括契約でリージョナル全店舗の処理業務の継続契約です。これに大小かかわらず同社様の得意とする各種処理業務・回収・メンテナンス・中間処理業務までのスポット受託対応。
つまりターゲットを業種・形態・ペルソナにまで踏み込みセグメントし、同社様の強みに徹底的にフォーカスしたコンセプト構成としました。
さらに活動拠点が存在する神奈川県向けにローカライズしたコンテンツも準備しました。実はこのことも同社様の強みを発揮するブランディングの取組みです。

●企業オフィシャルサイト

直接的な商用リソースはほとんど無いといっても過言ではない、まさに”ザ・オフィシャルサイト”。
弊社にて策定したCIベースのサイトデザイン・コンテンツは、リーディングカンパニーとしての風格や矜持を備えたもの。
別建てで制作したCSRパンフレットのコンテンツもそのまま活かし、企業ブランディングを広報する媒体としては重厚感さえ感じてしまいます。
前項「2. BtoB要件のブランディング _意思決定プロセスへの作用 」で触れた、同社様との取引を検討するターゲットユーザーの担当者・プロジェクトチームメンバー、さらに経営層への信頼性・期待感の醸成とその裏付けを担うフラッグシップサイトと言えます。

●タカヤマン・サイト

上記2サイトのスピンオフとして誕生したエンターテイメントなプロモーションサイトです。”おもしろおかしく、真面目に。”をスローガンに、各部署の社員参加により、作業現場で使用する各種の器具類を持ち、レンジャー戦隊ならぬ”環境戦隊”と称して、業務への熱いこだわりを、ユーモラスに演出しています。
同社様の採用活動やDMプロモーションにも効果を発揮するものです。
同サイトも複合ブランディングサイトのネットワークの一角を占めるものです。

オデイ.JP
「オデイ.JP」

3方面にターゲット分類したコンテンツスキーム。
ターゲットをセグメントして迎い入れるから、ユーザーはエントリーしやすく、ほしい情報に迅速にアクセスできる。
そこには差別性や専門性高い機能情報が溢れている。
BtoBブランディングの要件を強く備えている。
以上の要件から得られたユーザザーの体験は、実はUX(ユーザー・エクスペリエンス)の重要なファクターの一つと弊社では捉えている。

企業オフィシャルサイト
企業オフィシャルサイト

「オデイ.JP」閲覧後の信頼性・信用度の裏付けを担う。
期待や好感などと合わせ、経営層・担当者に安全・安心の無形の資産を持たせる効果。
「オデイ.JP」とこの「企業オフィシャルサイト」の二面作戦による相互補完のシナジーが、企業ブランディングの価値形成を最大化する。

タカヤマン・サイト
タカヤマン・サイト

スピンオフサイトだが、同社様の遊び心が、一種の余裕を感じさせる。
ガツガツしない姿勢、実直な熱い心、遊び感覚ながら都会的なビジネスパーソンのスタイリッシュさ、これらも2サイトに加え、立派なブランディングサイトとしてのプレゼンスを持つ。

BtoB商用サイト「オデイ.JP」

トップページ

前述サイトコンセプトの通り、TOP画面に「大規模対応」「広域対応」「汚泥何でも対応」の3ターゲットに向けたエントリーをスピーディーに促す。またTOP左上には「神奈川エリア対応」の小バナーも配置。明確にエリアターゲティングしている。

下層ページ

「給水設備、排水設備、点検・清掃から廃棄物処理まで、まるごとアウトソーシング」というリードコピーは、大規模な工場やビルでの需要。ワンストップでの対応力があるからこそできるワザ。

下層ページ

大規模対応と同様、広域・リージョナルなチェーン店、工場などの対応力を訴求。

下層ページ

スポットの汚泥処理全般を承るサービス。マルチレベルの処理業務をこなすため、大小に関わらない、どのような処理でも対応を可能としている。

下層ページ

神奈川に拠点のある同社様のエリア戦略に基づき、特に横浜・川崎等の工業地帯、大型商業施設等のユーザーへのリーチを発揮する。

企業オフィシャルサイト

トップページ

オフィシャルサイトとして王道を行く。CI情報、品質・安全・環境のCSR情報まで、まさにオデイ.JPを裏付ける信頼醸成のポジショニング。

下層ページ

過去3年度にわたってCSRレポートを弊社にて制作。PDFでダウンロードできるようになっている。

下層ページ

社長挨拶、社是・綱領、コーポレート・アイデンティティのコンテンツを網羅。

タカヤマン・サイト

トップページ

各部署の若手社員によるレンジャー戦隊ならぬ”環境戦隊”。勇ましく頼もしく、それでいてちょっと笑える。

下層ページ

登場する各雄姿のパーソナル紹介。「おもしろおかしく、真面目に。」を地で行くから何か引きつけられる。採用活動にも活かせるサイトという意味がよくわかる。

下層ページ
下層ページ

現場での奮闘・苦闘状況で戦い抜く姿を描いた。ここまでやるか!の取組みは、誰にでも共感を与えてしまうからすごい。

02. 株式会社尾崎製作所様 100周年記念サイト導入事例

企業情報

1916年創業の精密測定器の製造・販売を事業とする企業で、2015年に100周年を迎えました。このダイアルゲージは「PEACOCK」のブランドで業界TOPシェアを誇り、独自のテクノロジーと品質管理に裏付けられた製品開発力が、同社様の最大の強みと言えます。

100周年記念サイト導入の経緯

100周年記念を迎えるにあたって、対外的に「PEACOCK」での知名度は高いものの、意外と知られていない同社様の経年価値を広報活動することによって、「PEACOCK」ブランドのブランドイメージ向上を図りたい。また同社様のプロダクトラインナップが、100年もの長きにわたるナレッジやエビデンスの蓄積から誕生してきたものであることの周知により、情緒的な付加価値を高め、業界マザーツールとして確固たる存在感を示していきたい。
このような同社様の存在が、まさにモノづくりニッポンを支えるルーツであることを、100周年記念に合わせて発信していきたい。

ブランディングの訴求ポイント

●100年の歩み

周年記念誌のような重厚なヒストリーにしても、いくら知名度が高いとは言え、閲覧ユーザーの食傷気味は否めない、という仮説の下、歴史を感じさせるビンテージな写真、色遣いで一定の重厚感を持たせつつ、長過ぎず、短か過ぎず、創業期~業界スタンダードとなった自社開発の主力測定器誕生エピソードに触れ、1ページ内に収める縦長構成とした。

●優れたプロダクトのヒストリーとビジョン

測定器三種の神器と言われるダイヤルゲージをはじめ、ノギス・マイクロメーターの厳格な基準がJIS規格策定のベースになったこと。
世の各種工作機械の開発におけるマザーマシン製造の際、同社様PEACOCKブランドの製品が”産業のマザーツール”として活かされていることは、まさに開発力と技術力に裏付けられた証左であること。
このように国内はもとより、世界中のモノづくりの現場を支えてきた同社様のプロダクトだが、さらに用途のダイバーシティ化、さらなる高品質さや高性能が求められる次世代のあり方。
これらにスポットを当てコンテンツ化するのに、各部門の社員方々による座談会が最適と考え、採用されることとなった。

トップページ

100周年記念サイトのTOPページ

下層ページ

創業期から次々と優れた製品を世に送り出してきたヒストリーが一覧できる。

下層ページ

社長のご挨拶

下層ページ

100年の歩み

ブランディング関連媒体・制作物

100周年記念の定番、100周年ロゴデザインを制作、合わせて社員、取引業者への配布用100周年記念パンフレットまでを関連して制作しました。

100周年ロゴデザイン
100周年ロゴデザイン

100周年ロゴのバリエーション。

ブランドマニュアル
ブランドマニュアル

100周年ロゴのコンセプト・取扱い・使用基準等を記載したブランドマニュアル。

記念サイトの紙媒体版

記念サイトの紙媒体版。記念式典や社員、取引業者に手渡した。